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(社)東京建設業協会

地域と他産業に影響力/建設業のBCPの重さ

2008/03/12 東京建設新聞

 東京建設業協会は7日、「建設業の事業継続計画(BCP)講習会」を明治記念館で開催した。大地震、事故など企業はいろいろなリスクにさらされている。災害や事故で被害を受けても業務が中断しないこと、かりに中断しても可能な限り短期間で再開することが求められている。特に建設業は建築物をはじめ、道路、鉄道、上下水道、電力、ガスなどライフラインの復旧に中心的役割を担っており、自社の事業継続計画だけでなく、他産業の事業継続計画にも大きな影響力を持っている。講師の大野春雄氏(建設教育研究推進機構理事長)は「事業の継続性を確保するBCPは企業存続の生命線」と強調する。

 大野氏は、関東地方整備局が昨年12月に策定した「建設会社のための災害時の事業継続簡易ガイド~事業継続計画(BCP)の策定・実施にむけて~」などをもとにBCPを分かりやすく解説した。同氏は、中小建設業のBCP策定に必要な項目として①指揮命令系統の明確化②本社など重要業務拠点の機能確保③対外的な情報発信及び情報共有④情報システムのバックアップ⑤協力会社との連携⑥インフラ復旧工事への対応⑦施工中現場への対応⑧竣工物件への対応、をあげた。

 また、同氏は、BCPによって今後の中小建設業の企業経営がどのように変化するかについて言及し▽自分の会社と社員を守ることができる▽地域の人たちを守る▽会社の知名度が上がる▽新しいビジネスに発展する▽会社の格付が上がる、ことをあげた。

 大野氏は最後に「BCPによって建設業が地域や他産業に大きな影響力を持っており、また重要な使命を担っていることが分かる」とし、「全産業の中核企業としての建設業の存在の重さ」を強調した。

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