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栃木県西方町

町幼稚園・保育所合築を11年5月にも発注

1998/09/30 栃木建設新聞

 西方町は二十五日までに、懸案の『町幼稚園・保育所合築事業』の施設概要並びに執行計画を固めた。建設用地は西方幼稚園の西側隣接地(大字本郷五一六-二)と、現幼稚園敷地(同五一七-二)を加えた七、一五四㎡に決定。新園舎は延べ床面積一、五四九・二五㎡のS造平屋建て施設とし、十一年六月定例町議会案件として発注することを目標に、五月ごろにも入札を執行したい意向。総工費は外構工事費を除き約四億円が見込まれる。

 町では十二年四月の開園に向け、今年度中に基本・実施設計を済ませる。建設用地が現在も園庭として借用されており造成工事の必要がないことから、来年度は可能な限り早期に着工し、単年度で新園舎新築工事、現園舎解体工事、外構工事を一挙に完成させる考え。

 解体する現園舎部分の外構工事は築山、遊具などを配した園庭と運動場からなり、来年度早期に別途委託の予定。駐車場や建物回りの外構は本体建築に含む考え。基本設計は(株)フケタ設計(宇都宮市大曽一-五-八)が担当。現在同社が実施設計に移行している。

 新園舎は幼稚園八十八人、保育所百十人の定員を設定し、幼稚園、保育所、共用の三部門に、新たに子育て支援センター部門を加える。文部、厚生両省への事前説明で補助採択の基本的同意を得たことから、九月定例町議会で合築概要を説明。来年度当初予算に建設費を計上する方向で了承を得た。

 施設配置は最西端に職員用駐車場を設置、建物は正面玄関をはさんで西側に共用部門と保育部門、東側に幼稚園部門を配置する。新たに盛り込まれた子育て支援センターは共用部門に併設される。

 建物は、パリのオペラ座をイメージしたマンサード屋根を採用。中央に風見鶏のある時計台をシンボルとして設置し、子どもたちに時間の観念が自然に吸収できるよう配慮した。建物東南部は運動場、移動式プールなどに充て、現在の幼稚園舎のある東側敷地は送迎バス駐車スペース、ロータリー、最東端には築山や遊具、小動物舎などを効果的に配置する計画。

 園舎内各部門の床面積は幼稚園が四六八㎡、保育所四八〇・三㎡、共用五四三・九五㎡とし、子育て支援センターは五七㎡のスペースを割くことになった。

 内部機能は、幼稚園部門が南側に配したテラスに向かって三歳児室、四歳児室、五歳児室(各八四㎡)の教室、教室北側にオープンスペース(一一八・八㎡)、さらに北側に倉庫、トイレ、図書コーナー、洗濯室などを複数設ける。教室は壁だけで仕切られ、園児はドアの開閉なしでオープンスペースや図書コーナーなどが活用できる開放型教室。定員の変動により一室をパーテーションで区切ることが可能。

 保育所部門は、南側が広いテラス、北側が廊下をはさんで共用部門となる配置で、新たに零歳児保育の導入に伴い、五歳児まで保育年齢ごとに保育室(六室、各五一・七㎡)を設け、三歳児から五歳児までの保育室は幼稚園と同様オープンスペース(五七・二㎡)、図書コーナー、トイレなどを備えたドアのない開放型の設計とした。

 共用部門は、収納式ステージを備えた遊戯室(一八二㎡)、管理室(職員室、事務室、休憩室、保健室コーナー、七七㎡)、子育て支援センター、厨房(四二㎡)などのほか玄関ホール、廊下、倉庫、食品庫、休憩室、配膳室、トイレなどで構成される。

 合築事業は、老朽化が進む町立西方幼稚園と、西方金崎保育所(大字金崎九)、西方第二保育所(大字元一六〇一-一)の両保育所を統合し、施設内の共同利用を図る目的で計画。同様の構想を持つ県内市町村のモデルケースとして注目されていた。



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