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埼玉県総合政策部

埼玉県内の鉄道4路線の早期事業化へ向け、検討調査業務を委託

2001/05/28 埼玉建設新聞

 埼玉県総合政策部交通政策課は、昨年1月の運輸政策審議会(運政審)で答申された鉄道のうち、4路線の整備検討調査業務を6月にも委託する。同業務は12年度から2か年事業でまとめるもので、昨年度は、日本交通技術(千代田区)が作業した。調査内容は、答申を受けた各4路線の概略ルートや結節駅、駅設置場所、事業主体などの概略をまとめ、早期事業化を促進する。

 答申を受けたのは、埼玉県が新設および延伸を要望していた6路線のうち、目標年次の2015年(平成27年)までに開業することが適当である路線(A1答申)の埼玉高速鉄道線延伸と、同年までに整備着手することが適当な路線(A2答申)として位置付けられた8号線の延伸。また、今後整備について検討すべき路線(B答申)とする12号線の延伸と東西交通大宮ルート一部区間の4路線。

 このうち、埼玉高速鉄道線は、鉄道整備に係わる条件がおおむね整っており、目標年次までに開業することが適当と判断された路線。3月28日に開業した埼玉高速鉄道浦和美園駅から岩槻市を通り蓮田市まで延伸する12・9km。

 これまでの調査内容によると、浦和美園駅から東武野田線岩槻駅間約7・2kmは地上で整備し、岩槻駅へは地下で進入。途中、新駅を2か所設置する計画。

 蓮田市では、調整区域内の線路は高架式とし、市街地は地下式で計画。JR宇都宮線蓮田駅へは、同駅から岩槻市境までの都市計画道路蓮田駅東口馬込線(W16m、L約1km)下の利用が見込まれる。県が10年12月にまとめた建設試算額は2、000億円。

 8号線は、東京・亀有駅から常磐新線新駅と結節し草加市内に入り北上、松伏町を抜けて千葉県野田市に至る延長約24km。

 八潮市先では、越谷市が越谷レイクタウン内に、吉川市では武蔵野操車場跡地にそれぞれ新駅を設置する構想があり、両市とも新駅に8号線を結接させたい意向を持っているもよう。鉄道未整備の松伏町へは新駅設置が有力だ。軌道構造は高架または掘り割り式で計画。県がまとめた建設費は4、000億円を試算。事業費に関しては、費用負担を設定するため、事業が具体化した時点で見直しを図るとしている。

 一方、所沢-大宮-吉川間を結ぶ東西交通大宮ルート新線は、全長約50kmで要望していたが、さいたま新都心などで需要が見込まれる大宮-新都心から県営サッカースタジアム付近までの区間のみをB答申に位置付けた。軌道構造はモノレールやLRTなど、中量軌道システムでの整備を計画しており、整備の必要性、整備方策などを検討する。また、12号線は武蔵野線方面の延伸が計画されている。



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