横浜市の外郭団体「横浜市住宅供給公社」の二十年度事業計画は、緑区長津田駅で計画されている市街地再開発事業の促進を図るほか、いずれも昨年度からの継続で建設に当たる臨海部の分譲住宅建設、中区の優良建築物等整備事業、緑区の高齢者向け優良賃貸住宅と高齢者福祉施設からなる複合施設建設、鶴見区の既成市街地の密集市街地整備などのまちづくり事業。それに公社が分譲したマンション等の管理や改修事業。民間土地所有者と共同で、高齢者向け優良賃貸住宅の建設などに当たる。
長津田駅の再開発事業「長津田駅北口地区第一種市街地再開発事業」は、JR横浜線、東急田園都市線、横浜高速鉄道こどもの国線が乗り入れる長津田駅北口の緑区長津田二、四丁目の二・二㌶で計画されているもので、地上二十八階建て、約百九十戸が入る住宅棟や区民文化センター、消防出張所、商業施設など延床面積五〇、四〇〇平方㍍の建築物を中心に、バスやタクシーが停まる六、四〇〇平方㍍の広さの駅前広場、八百台収用の駐輪場などを整備するもの。事業地は以前、市営住宅が建っていた場所だ。
長津田駅は、一日約十二万人の乗客数があり、市北部の主要な交通結節点となっているものの、駅前広場や道路等の公共施設が未整備のまま市街地が形成されており、交通安全や防災などの面で問題となっている。十九年十二月に再開発の都市計画決定の告示がされている。
公社では、今年度の早い時期の事業計画の認可取得を目指しているところで、三月には、認可申請に先立ち、商業施設等を取得する特定事業参加者の募集を行った。今年度は、認可取得の手続きと平行し、建築物の設計図を描いていく。二十一年度の権利変換計画の認可を経て工事着手、二十四年度工事完了というスケジュールを描いている。
鶴見区の密集市街地整備は、本町通一丁目A地区と呼ばれる〇・二㌶を対象に住宅市街地総合整備(密集市街地整備側)として行われる。同事業は既成市街地で、木造老朽住宅が密集し、大地震時には火災による延焼や住宅の倒壊などの被害が予想される地域で、建物の建替や、耐震改修、それに狭あい道路の拡幅などを行い、災害に強い街づくりを目指すもので、今年度は、合意形成が図られた建物所有者らの等価交換方式による共同建替えの支援をしていく。年度内着工に向け準備を進める。
中区の優良建築物等整備事業は、JRと市営地下鉄線が乗り入れる桜木町駅に近い花咲町一丁目地区の〇・一三㌶を対象に、共同住宅、店舗、事務所が入る延床面積五、四〇〇平方㍍の規模の建物を建てる事業で、昨年度に着工した。年度内完成を目指す。
分譲住宅は、公社事務所に近い横浜ポートサイド地区と呼ばれる神奈川区大野町で、地上二十九階建て、二七、五六八・三九平方㍍の規模で、一LDKから四LDKの住宅一七九戸(平均住戸面積七〇平方㍍)をメーンに店舗、事務所、それに保育所が入るもので、今年度は二十一年度の完成目指し、引き続き工事促進を図る。
公社が分譲したマンション等を対象としたリフォーム事業は、SRC造十二階建て、SRC造十三階建ての一七二戸の共同住宅の外壁塗装改修設計、RC造五階建て二棟、SRC造七階建て一棟の七七戸の共同住宅の給排水管設計を手がけるほか、上大岡(港南区)、森の台(緑区)で行われる工事管理に携わる。
民間の土地所有者と共同で進める高齢者向け優良賃貸住宅の供給は、昨年度からの継続で二五四戸、新規で一五〇戸の建設事務を受託する。
このほか、市民サービス充実の取り組みとして、市民に対し、住まい・まちづくりに関わる総合的な相談・案内、情報提供等を行う「(仮称)住まい・街づくりセンター」を神奈川区金港町の(仮称)京急開発ポートサイドビルに七月をメドに設置する。