新発田市は、今月1日から適用する今年度入札制度の変更内容を明らかにした。市発注の下水道工事における談合事件を受けて、工事・建設コンサルタント業務の予定価格を全て事前公表とすることや、法令違反等による指名停止措置を強化し、指名停止の期間を従来の2倍とするなどの再発防止に取り組む。また、競争性を確保するため、入札参加における「地域要件」の範囲を拡大。市内に本社・営業所を置く業者のほかに、一定金額以上の工事入札の一部で、新発田地域振興局管内業者も参加できるようにする。このほか、電子入札の開始や、総合評価方式の試行拡大などが主な内容となっている。
今年度の主な変更内容点のうち、予定価格の事前公表については、市が発注する工事および建設コンサルタント業務における全ての入札が対象となる。市は、入札価格の「高止まり」に繋がるとし、昨年度に予定価格の事前公表を廃止し、事後公表に変更していたが、再び事前公表することを決めた。これにあわせて、低入札価格調査基準価格と最低限制限価格も、全て事前に公表。6月1日からは、低入札調査基準価格または最低制限価格の設定金額を定め、予定価格が8000万円以上の工事については低入札調査基準価格、同1000万円以上8000万円未満の工事と、8000万円以上であっても議会案件や工期の確保が困難な工事、建設コンサルタント業務(予定価格50万円超)については、最低制限価格を設定する。
指名停止措置の強化では、市の入札で、法令違反等があった場合、指名停止の最短、最長期間をこれまでの2倍に変更。例えば、従来は談合の場合最長1年だった指名停止期間は、2年となる。
入札参加における地域要件の設定については、原則、土木一式工事と建築一式工事で予定価格3500万円以上、管工事および電気工事で同2000万円以上の制限付一般競争入札で、従来の市内本社や営業所に加え、新発田地域振興局管内(新発田市、阿賀野市、胎内市、聖籠町)まで範囲を拡大。実績要件についても、従来、企業としての元請施工実績を求めていたが、配置予定技術者の工事経歴がある場合も参加を認め、入札参加者の拡大を図る。
また、予定価格の設定にあたり、設計価格の数%を切り下げていた「歩切り」は廃止する。
このほか、電子入札については、A・Bランク工事を5月以降、その他のランクとランクのない工種、建設コンサルタント業務については、8月以降に試行を予定。昨年度に3件行った総合評価方式による入札は、試行を拡大し、今年度に10件程度の試行を計画している。
なお、今後の入札制度の変更予定として、21年度から、工事および建設コンサルタント業務で電子入札を完全実施。また、土木一式工事、建築一式工事、管工事、電気工事について、すべてA・B・Cの3ランク制とする。