山梨県は、韮崎市旭町にある県立あけぼの医療福祉センターの老朽化や入所者の重度化への対応を図るため施設の再整備を計画、今年度は同整備に向け基本構想の策定に着手する。30日には、学識経験者や、県議、福祉・障害者代表らを委員とする「あけぼの医療福祉センター再整備検討委員会」を設置。同委員会に委嘱し、施設の建替えの方向性や必要とされる施設の機能や規模等について検討作業を進めるとともに、同委員会で出された意見をフィードバックしながら、基本構想の策定作業も並行して進め、年内をメドに再整備の基本構想をまとめる方針だ。
同施設は、県立・県営の施設として、昭和50年に開所。現在、約6万6,000㎡の敷地に、肢体不自由施設、重症心身障害児施設、重度身体障害者構成援護施設として入居、通所施設として各種病棟などの施設(全体・約1万2、763㎡)を備え、障害児、障害者の福祉・医療の中核施設としての役割を担っている。しかしながら、建設から27年が経過し、施設の老朽化が進んでいることや、時代の変遷により障害者を取り巻く環境が変化していることなどを受け、県では既存の施設の建替え等を含めた再整備を計画。昨年度には庁内の検討委員会で再整備の基本的な方向性などを検討。これに続いて、今年度は基本構想の策定に着手することになったもの。
再整備にあたっては、検討委員会で議論される障害者を取り巻く環境変化による利用者から求められる施設の機能や定員、入所長期化への対応や、時代に即応した施設への施設概念や全体構成、基本形プラン、計画案の規模・コスト概算、求められる施設の運営・経営形態などについての意見を取り入れながら、施設の再整備の方向性を検討し、年内には基本構想を策定する。また、今年度は現地の測量・地質調査の実施も予定するほか、来年度以降は、基本構想に基づく基本・実施設計等に順次着手し、事業化に備える。