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新潟県妙高市

中心に学習メディアセンター/低層2階建て6655㎡/梓設計の提案内容/新井小設計コンペで特定

2008/05/09 新潟建設新聞

 妙高市は、新井小学校校舎棟の改築設計コンペで、最優秀に特定した梓設計(東京都品川区東品川)の設計内容を明らかにした。同者の設計案による施設内容では、建物を、子どもの目線にあった圧迫感のない低層の2階建てとし、延べ床面積6655㎡の規模を想定する。

 設計の基本方針としては、「人・知・情報が行き交う学習コミュニティ拠点となる学習メディアセンターを核とした妙高の子供たちの生きる力・育む交流・体験・発見型スクールの実現」を提案。

 また、妙高山麓の自然環境を背景に育まれた「エコスクール」として、季節に応じて表情を変え、自然の恵みである光や風などを享受し、徹底した省エネルギーが図られる環境調和型建築を目指す―としている。

 基本方計画実現に向けては、①環境共生②教育の多様化③交流④地域活力⑤親しみやすさ⑥安全・安心―の6つを設計方針に据える。

 主な施設の特徴によると、小学校の核として多様な学習に対応するため、2層吹き抜けの「学習メディアセンター」を施設の中心に置き、取り囲むように教室を配置。「学習メディアセンター」と教室の間には、相互の連携を図りやすくするためにワークスペースを設ける。

 このほか、地域開放エリアとして、地域が小学校との連携を深めながら学校支援を行なう「みょうこうっ子クラブ」や、ステージ付きの音楽室とランチルームを兼ね備えた「あらいホール」などを計画。

 地場産の間伐材を什器・備品に使用するほか、グラウンドにも地場産のスギ・ヒノキの樹皮を用いた土壌改良剤を使用し、200mトラックと100m直走路を整備すること―などが提案された。

 コンペの審査会では、メディアセンターと教室周りの空間提案が優れている点や低層2階建てで計画され、周辺住宅に与える日影の影響や雪害対策などの配慮がなされている点で高い評価を得た。

 今後同者で、審査委員から指摘された問題点等を改善したうえで、今年度内に基本・実施設計をまとめ、順調なら21年度から2カ年で、現在のグラウンド部分に新校舎を建設。平成23年度に屋内体育館を残し、既存校舎の解体と跡地でのグランド整備などを行い、事業を完了させる予定だ。

 改築に伴う総事業費には、20億円程度を見込んでいる。


【写真=梓設計が提案した新新井小学校の完成予想図】

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