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開業後10年間で6300億円/新駅設置の経済効果推計を公表

2008/05/14 日本工業経済新聞(神奈川版)

 松沢成文知事は、五月一三日に開催した神奈川県東海道新幹線新駅設置促進期成同盟会二〇年度総会の席上、専門機関に委託して行った「東海道新幹線新駅設置に伴う経済効果推計」について明らかにした。

 推計の結果概要では、新駅利用者数は、開業時(ツインシティのまち開きを予定する二〇一五年)に約一万一〇〇〇人/日、開業一〇年後には約一万三、五〇〇人/日~約一万四、二〇〇人/日を見込んでいる。

 時間短縮効果などの利用者便益となる直接効果は、開業時約四七億円/年、開業一〇年後約六一億円/年~約六八億円/年と推計。

 また、経済波及効果について、建設効果(住宅や事業所等の増設に伴う経済効果)が開業後一〇年間で累計約六、三〇〇億円、消費効果(消費支出の増加による経済効果)が開業一〇年後で年間約七〇〇億円、操業効果(新たな生産活動に伴う経済効果)が開業一〇年後に年間約二、四〇〇億円などとしている。

 さらに、税収効果として、開業一〇年間の建設効果による税収増加が累計約一三五億円、開業一〇年後の消費・操業効果による税収増加が約七四億円、固定資産税の増加が年間約五八億円などと試算している。

 松沢知事は冒頭のあいさつで、県央・湘南地区のポテンシャルが高まっている中で、核となる新駅の実現への期待が高まっているとして、「新駅の実現に向けては、JR東海もリニア中央新幹線の開業見通しを明らかにするとともに、そうなれば東海道新幹線にも余裕がでてくることも示唆している。また、新駅設置の受け皿となるツインシティのまちづくりについても、都市計画決定目指した取り組みが進んでいる。今回の推計を見ても新駅のポテンシャルの高さが現われており、今後さらに全力をあげて取り組む決意を表明したい」と力を込めた。

 総会では、二〇年度事業計画案などを承認した後、寒川町倉見地区が新駅設置の検討対象となる環境が整いつつあるとして、県民、企業、行政の協働体制を充実・強化して、ツインシティの実現に取り組み、新駅誘致活動を一層強力に展開することを決議した。

 同盟会では総会決議を要望書としてまとめ、五月二九日、羽田愼司副知事らがJR東海を訪れて、新駅設置の早期実現を要望することにしている。




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