埼玉県が平成元年から総事業費約54億円を投じ建設を進めた、草加市谷塚上町地内の辰井川排水機場がこのほど完成、17日に現地で土屋義彦県知事、県議会、地元選出国会議員ら多数を集め、完成式典を開催する。
草加市と川口市を流れる辰井川の流域は、低地部であることに加え、急速な都市化の進展により保水・遊水機能が著しく低下したことにより、台風時には甚大な浸水被害が発生しており、抜本的な対策として、河道、排水機場、調節池の整備を進めてきた。これまでに河道、調節池が完成しており、今回排水機場が完成したことにより、辰井川の洪水を毛長川に排水することが出来るようになり、流域の浸水被害が大幅に軽減される。
排水機場は、毛長川との合流点に建設され、排水能力は10立方m/S(5立方m/S×2台)の能力。事業効果は、過去20年で最大の被害をもたらした昭和56年の台風24号に当てはめると、浸水予想面積は当時の2・95平方kmから、激特事業、都市河川改修事業で整備した河道、柳島調節池6・9万立方m、谷塚調節池2・6立方mの能力を併せての0・58平方kmに減少、浸水被害軽減率約80%となる。