県県土整備部公園緑地課は、計画の見直しを進めている「八千代広域公園」で、今年度内に事業認可を変更する。近く基本設計を委託し、これをもとに国と協議し、年内に事業認可変更を申請し、年度内の認可取得を目指す。また、同公園は住民参加型の公園を目指しており、ワークショップを開催する。ワークショップは来月から9月までに3回程度の開催を予定している。同公園の今年度事業費は委託費、用地費などに1億2000万円を見込む。
同公園は96年度に事業認可を取得し、用地取得などを進めていたが、今年度で事業認可期間が切れることや、基本計画の策定から約15年が経過し、県民意識の変化や社会構造の変化など、都市公園を取り巻く社会情勢が大きく変化していることから、事業の見直しを行うことになった。
事業の見直しに伴い、昨年度で基本計画を修正し、見直し案をもとにパブリックコメントを実施し、県民の意見を募集した。今年度の基本設計は、意見募集の結果などを踏まえて策定する。基本計画の修正業務はライフ計画事務所(東京都江東区亀戸2-36-12)が担当。
同公園は、八千代市の中央部を南北に流れる印旛放水路(花見川)の河川空間を活用した「水辺とスポーツ」、また県立中央図書館との連携による「情報文化とのふれあい」をテーマとして計画。96年6月に事業認可を取得し、事業に着手したが、情報文化ゾーンに建設を予定していた「県立中央図書館」の計画が白紙撤回されるなど、状況が大きく変化した。このため、02年4月に事業計画を変更。変更後は08年度末を目標に、総事業費約275億2300万円(図書館を除く)を投入し整備する計画としていた。
なお、昨年度でまとめた基本計画案の概要は次の通り。
■見直しの方針■
本公園の立地特性を活かしつつ、次の点を見直しのポイントとして、早期の供用開始を目指す。
▽既存の景観や自然環境の保全活用=既存の斜面緑地や、新川沿いの空間の広がりを活かした計画とする。
▽多様な主体と協働で進める公園づくり=決められた施設を利用するだけの公園ではなく、自由な発想で利活用できるよう、県民、NPO、企業など多様な主体との協働により魅力的な公園づくりを実施する。
■計画の概要■
【萱田地区の計画】
新川の西側の地区で、広さは約9haである。既存の樹林地や広々とした平坦な空間を活かして、多様な事業主体との協働により様々な遊びやレクリエーション活動が図られる地区として計画する。
▽プレイパークの森=ゆるやかな起伏の自然林を活かして子どもたちが自由な発想で様々な遊びや活動ができるプレイパーク(冒険遊び場)を計画する。
▽みんなの広場=人々の憩いややすらぎの場として、また、様々なレクリエーション活動が展開できる広場を計画する。具体的な広場づくりや利用方法については、ワークショップ等により県民の自由な発想や意見を参考に、地域や様々な事業主体との連携を図りながら進める。
【村上地区の計画】
新川の東側の地区で、広さは約10haである。スポーツやイベントを通じて人々の交流が図られる地区として計画する。また、隣接の寺社林と一体となった境界部の斜面緑地はそのまま保全する。
▽交流広場=イベント等の会場として、人々と文化の交流の場となる広場を計画する。
▽スポーツ広場=気軽にスポーツが楽しめる広場計画する。
▽斜面緑地=敷地東側には斜面林が続いている。新川沿いの景観・自然環境にとって重要な緑であり、保全する。
▽新川沿いの計画=川幅約100m、長さ約3㎞の河川区域である。印旛沼から東京湾を結ぶ広域的なレクリエーション活動の場として、遊歩道や桜並木、休憩場所の整備を計画する。
■整備・管理・運営の方向性■
今後の都市公園は、限られた財源の中で多様化する県民のニーズや価値観への対応が求められており、今まで以上に効果的なサービスの提供を目指すことが必要となっている。一方、県民やNPO、企業等では社会参加や社会貢献に対する意識が高まっている。八千代広域公園では、こうした個人・団体など多様な主体と協力・連携し、協働で公園づくりを行うことにより、行政による画一的な整備・管理・運営からの転換を図り、個性的で質の高いサービスの提供を進めることとする。