県千葉地域整備センターは、「八千代広域公園」の基本設計修正業務をライフ計画事務所(東京都江東区亀戸2-36-12)に委託し開始した。委託金額は1720万円。委託工期は09年2月28日。基本設計をもとに年度内に国に事業認可変更を申請し、年度内の認可取得を目指す。また、同公園は住民参加型の公園を目指しており、ワークショップを開催する。ワークショップは7月から9月にかけて3回の開催を予定し、今月13日から参加の申し込みを受け付けている。募集の受付期間は今月26日まで。ワークショップは、新川の西側に予定している「みんなの広場」約3.5haが対象となる。
同公園は96年度に事業認可を取得し、用地取得などを進めていたが、同公園内に建設を計画していた県立中央図書館の建設計画が中止になったことや今年度で事業認可期間が切れること、基本計画の策定から約15年が経過し、県民意識の変化や社会構造の変化など、都市公園を取り巻く社会情勢が大きく変化していることなどから、事業を見直し、土地利用の転換を図ることになった。
同公園は、八千代市内を流れる新川沿いに計画されている「水辺とスポーツ・情報文化とふれあい」をテーマにした約53haの広域公園。ワークショップは八千代市市民会館の3階会議室で7月12日、8月2日、9月6日に開催を予定。なお、県は、同公園の見直しに伴い昨年度で基本計画案をまとめ、パブリックコメントを実施している。
以下、基本計画の概要は次の通り。
■見直しの方針■
本公園の立地特性を活かしつつ、次の点を見直しのポイントとして、早期の供用開始を目指す。
▽既存の景観や自然環境の保全活用=既存の斜面緑地や、新川沿いの空間の広がりを活かした計画とする。
▽多様な主体と協働で進める公園づくり=決められた施設を利用するだけの公園ではなく、自由な発想で利活用できるよう、県民、NPO、企業等多様な主体との協働により魅力的な公園づくりを実施する。
■計画の概要■
【萱田地区の計画】
新川の西側の地区で、広さは約9haである。既存の樹林地や広々とした平たんな空間を活かして、多様な事業主体との協働により様々な遊びやレクリエーション活動が図られる地区として計画する。
▽プレイパークの森=ゆるやかな起伏の自然林を活かして子供たちが自由な発想で様々な遊びや活動ができるプレイパーク(冒険遊び場)を計画する。
▽みんなの広場=人々の憩いややすらぎの場として、また、様々なレクリエーション活動が展開できる広場を計画する。具体的な広場づくりや利用方法については、ワークショップ等により県民の自由な発想や意見を参考に、地域や様々な事業主体との連携を図りながら進める。
【村上地区の計画】
新川の東側の地区で、広さは約10haである。スポーツやイベントを通じて人々の交流が図られる地区として計画する。また、隣接の寺社林と一体となった境界部の斜面緑地はそのまま保全する。
▽交流広場=イベント等の会場として、人々と文化の交流の場となる広場を計画する。
▽スポーツ広場=気軽にスポーツが楽しめる広場計画する。
▽斜面緑地=敷地東側には斜面林が続いている。新川沿いの景観・自然環境にとって重要な緑であり、保全する。
▽新川沿いの計画=川幅約100m、長さ約3㎞の河川区域である。印旛沼から東京湾を結ぶ広域的なレクリエーション活動の場として遊歩道や桜並木、休憩場所の整備を計画する。
■整備・管理・運営の方向性■
今後の都市公園は、限られた財源の中で多様化する県民のニーズや価値観への対応が求められており、今まで以上に効果的なサービスの提供を目指すことが必要となっている。一方で、県民やNPO、企業等では社会参加や社会貢献に対する意識が高まってきている。八千代広域公園では、こうした個人・団体等多様な主体と協力・連携し、協働で公園づくりを行うことにより、行政による画一的な整備・管理・運営からの転換を図り、個性的で質の高いサービスの提供を進めることとする。