(財)茨城県開発公社の事業計画概要がまとまった。今年度は、茨城中央工業団地の第1期(東工区108ha)分譲開始に合わせ工水配水場の電気設備工事等を行うほか、宮の郷工業団地は3箇所の公園整備と沿道緑地整備を実施し、今秋にも分譲を開始。北浦複合団地は第1調整池の築堤と進入路改良(800m)を上半期中に発注。筑波北部工業団地の拡張地区では小野薬品工業の立地決定を受け、造成工事に着手する。また、百里飛行場の東側に開発する(仮)空港テクノパーク造成事業については、基本・実施設計等に着手していく方針だ。
このうち、県受託の公共事業で行う茨城中央工業団地造成事業は、総事業費407億円を投じ、東茨城郡茨城町の野曽などを対象に開発を計画している総面積176haに及ぶ大規模工業団地。
先行して東工区108ha(第1期分)の造成を進めており、7工区で実施した1次造成(1工区30ha、2工区20ha、3工区33ha、4工区26ha、5工区調整池8・4ha、6工区汚水排水628m、7工区排水樋管一式)が完了し、現在は2次造成の1区画(約7ha)を施工中。今年度は工水配水場の電気設備工事等を実施する予定。
未整備の西工区(68ha)については、主要地方道・大洗~友部線の整備に合わせ、先行して雨水・汚水等の埋設工事を実施。造成工事は、東工区の分譲状況をみて順次着工する。具体的な着工時期は未定。
宮の郷工業団地は、那珂郡大宮町富岡と久慈郡金砂郷町竹合地内に跨る90・9haを対象に開発を進めている。
ここは、常磐道那珂インターから約15km、日立港までは約20km、さらに約30kmのところは常陸那珂港があり、同港と団地を結ぶ県道常陸那珂港~山方線のアクセス道路も整備が急がれている。
土地利用計画では、全体90・9haのうち工場用地52・2ha、公共用地38・42ha、東電の変電所用地0・28haとなっている。
すでに造成工事を終え、今年度は秋頃の分譲開始に向け公園3箇所(第1公園1・5ha、第2公園0・7ha、第3公園1・0ha)と沿道緑地整備工事を実施する。
北浦複合団地は、総事業費約451億円を投じ、北浦町内宿、三和、成田、長野江地内の約193haを整備するもの。
同団地の北側では国が計画している衛星情報副センター建設により、造成工事を行い、昨年度は調整池の地盤改良と流末排水路に着手した。今年度はこれを受け、調整池築堤と進入道路の改良を延長800m実施。工事を9月末までに発注するもよう。
筑波北部工業団地の拡張地区は、小野薬品工業(株)(大阪府大阪市中央区道修町2-1-5)の正式な立地が決定し、注文造成方式に基づき造成工事に着手する。
開発地は、つくば市水守、作谷、和台地内の12・8ha。小野薬品工業は、ゲノム等の研究施設を10月頃に着工したい意向でおり、同公社では着工に合わせ7月下旬から8月上旬頃に造成工事を発注する予定。
設計は、宅地開発研究所(東京都)で策定中。
また、東茨城郡小川町の百里飛行場に隣接して開発計画している(仮)空港テクノパーク造成事業は、今年度に用地測量、基本及び実施設計に入り、用地買収に着手したい方針だ。
開発地は、百里飛行場東側の小川町下吉影地内。総面積は約51ha、うち分譲用地約40ha、道路や公園緑地などの公共用地約11haとなっている。
造成方式は、企業のニーズに合わせた注文造成に応じる予定で、平成23年度までに事業を完了する予定でいる。
これまでの経緯は、平成7年3月に茨城県長期総合計画の戦略プロジェクトとして位置付け、8年7月に開発同意取得を開始、9年3月に百里工業団地(仮・空港テクノパーク)基本構想策定、12年5月に開発同意取得完了、13年3月に(仮)空港テクノパーク基本計画を策定した。
今後のスケジュールでは、今年度に基本・実施設計を委託し、併せて用地買収作業に入り、造成工事は今のところ15年度の予定だが、前倒しで出来るだけ早期に着手したい考え。
那珂郡那珂町戸地内の「那珂西部工業団地」の拡張地区造成は、常磐道の那珂インターに近いなど好立地な条件から売れ行きも好調で、残り区画が1区画(5ha)となったため、北側の県道に面した2・2haを造成しよう-というもの。
もっか、測量作業を日拓測量設計(株)(水戸市)に委託しており、今年度は地権者の同意を取りまとめ、実施設計に入っていく。
この他では、プロパーの江戸崎工業団地は町の団地内幹線道路の整備に合わせ団地と道路周辺部の防災工事を実施。つくば明野工業団地は用地買収完了後に地区界測量を行い、岩瀬工業団地については実施設計に入るもよう。