茂原一宮道路長南・茂原間事業推進連絡協議会(会長・小高俊和県道路公社副理事長)の08年度総会が、このほど茂原市内の東上総県民センターで開催された。協議会では、茂原一宮道路の事業の進ちょく状況や今年度の事業についての説明が行われた。それによると、昨年度までの事業の進ちょくは、全体事業費176億円に対し33億6800万円を投入し、進ちょく率19.1%(うち道路公社受託額約27億6763万7000円)となった。
今年度の事業予定は、県長生地域整備センターが事業費4億3000万円で国道道路改築事業を実施し、県道路公社が用地買収や道路改良工事を実施する。県長生地域整備センターは、圏央道工事の細目協定を締結し、千葉国道工事事務所と県道路公社に工事の施行を委託する。千葉国道事務所は茂原長南インターチェンジ付近の調整池工事を実施する。事業費の配分は千葉国道事務所分6000万円、県道路公社分3億7000万円を予定。
また県道路公社は、ほかに長南区間の未買収地区間の用地買収を進めるとともに、国道409号-茂原長南ICの一般区間約700mの道路改良工を実施する。一般区間の道路改良工では、茂原長南IC付近の掘削工事を予定。工事は一般競争入札で8月ごろの公告を予定。
同事業では、設計VEによる事業の見直しを実施し、事業費の縮減や規格の変更を進めている。当初の道路規格は第1種第3級、設計速度80㎞/hだったが、これを第3種第2級、設計速度60㎞/hに変更する予定。これにより、全体事業費も当初の176億円から149億円程度まで縮減される見通しで、今後、国に変更を申請する。
また、同区間内には構造物として1-7号までの橋梁7橋の架設が計画されており、このうち1、2、3、5号橋の4橋が設計に着手しているが、この4橋全橋についてコスト縮減から設計の見直しが必要になる。橋梁は、1~3号の3橋が長南町内、4~7号の4橋が茂原市内。
茂原一宮道路は、圏央道を構成する「茂原一宮大原道路」(L30㎞)の一部で、圏央道(木更津~茂原間)と連結し、広域道路ネットワークの形成により長生・山武拠点都市地域及び夷隅地域の発展に寄与するとともに、外房地域への時間・距離を短縮する重要な道路。98年6月に約30㎞が「計画路線」に、同年12月に長南町から一宮間11.2㎞が茂原一宮道路(長生グリーンライン)として「調整区間」に、99年12月に長南町千田から茂原市三ヶ谷に至る約7.2㎞が「調整区間」に指定され、99年度より国庫補助事業で推進している。事業期間は00-13年度まで。
同協議会は、地域高規格道路茂原一宮道路のうち、整備区間となっている長南・茂原間の事業推進を図るため、県及び関係市町が協力し、情報交換や連絡調整を行うなど、事業の円滑な推進を図ることを目的に設置された。
以下、同事業の昨年度の実績は次の通り。
【県道路公社】
▽用地補償(長南区間)=①07年度実績:用地取得面積9412㎡(全体計画19万6000㎡)、用地補償費7931万円(全体計画17億3400万円)②07年度末まで実績額(契約額):用地取得面積19万3000㎡、用地補償費17億1300万円③07年度末までの進ちょく率:面積比98.2%、金額比98.8%
▽調査・設計等=①工事中の環境監視業務1式②買収済み地の保全1式
▽本工事=一般区画道路改良工L80m
【県長生地域整備センター】
▽国道道路改築事業(繰越分)=公社委託分(9968万3000円):①測量試験費(道路詳細設計・調整池設計・箱型函渠設計)②工事費(道路改良工)③用地費(田、畑、山林、立木等)
▽同事業(現年予算)=①センター執行分(501万8000円):用地補償費(千葉国道IC付近)②公社委託分(2億4898万2000円、うち08年度へ繰り越し1億1409万7000円):測量試験費1600万円(うち08年度へ繰り越し673万4000円、工事中の環境監視・流末地形測量ほか)、工事費1億9018万7000円(うち08年度へ繰り越し1億536万3000円、道路改良工)、用地補償費4279万5000円(うち08年度へ繰り越し200万円、田、畑、山林、立木等)