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国交省谷脇建設業課長/中身の濃い競争重視/紛争処理補完の仕組み検討へ

2008/07/31 本社配信

 国土交通省の谷脇暁(たにわき・さとる)建設業課長は7月30日、専門紙の共同就任インタビューに応じた。「甲乙以外の視点を導入して物事を円滑に進める」という観点から、現行の紛争処理を補完する機能の必要性を説いた。「元下関係も含めて、紛争処理の前段階で処理する仕組みを勉強したい」と話している。

 入札契約制度に関しては「形式的な競争ではなく、中身の濃い競争をしてもらうことが大事。応札が20者、30者という状況で中身の濃い競争は難しいだろう。一般競争で最低制限価格を事前公表して、くじ引きになるというのは(中身の濃い競争と)対極にある」と指摘。さらに「入口は広くなければいけない。過去の実績などにより段々と絞り込んでいき、その中で競争してもらえるルールができればと思っている」と話し、多段階審査の有効性を述べた。

 また地方公共団体への総合評価方式普及については「品確法の条文を読むと、やり方はそれぞれの発注者にまかせている。それぞれの地域に合うかたちで価格と品質に優れた調達をしてもらえれば良い」という見解を示す。

 地域建設業者が置かれている苦境の実態を把握するため、9月半ばまでに緊急ヒアリングを実施する。「各建設業協会と地域の代表的な企業、金融機関に建設業課と市場整備課の管理職が出向いて、地域の状況を直接聞かせてもらう」考えだ。

 谷脇課長は「産業振興の観点を大事にしていきたい。建設業は夢のある産業であり、就業者数が日本全体の約1割を占める基幹的な産業。産業全体として輝いていけるようにしたい」と抱負を述べている。

 このほか、入札ボンドの電子化やパートナリングの研究、元下調査の強化などに取り組む考えを示した。



【写真=「産業振興の観点を大事にしたい」と話す谷脇建設業課長】

「産業振興の観点を大事にしたい」と話す谷脇建設業課長000442.JPG

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