県中北建設事務所(田口三紀夫所長)は、平成20年度の主要事業を明らかにした。今年度は補助事業費(70カ所)に約100億円、単独事業費(120カ所)には約30億円を投じ、全体事業費約130億円となっている。これは、前年度比で10・5%の増。
主要事業には、国道411号城東バイパス(Ⅱ期)、都市計画道路愛宕町下条線、田富町敷島線などの道路事業、鎌田川改修、浅原橋事業を挙げた。
このほか、広域河川改修事業(山王川、平等川、藤川)、統合一級河川改修事業(八糸川、間門川)、地域自立活性化事業(貢川、流川、高倉川)砂防事業(御勅使川)に引き続き取り組んでいく。
また、快適な道路空間を形成するため電線類の地中化、この春斜面からの土砂崩落があった国道358号をはじめとする山間部の災害防除事業など災害に強い道づくりにも力を入れていく。
同事務所では、今後、厳しい財政状況の下、これらの事業を推進するにあたり「事業の必要性・緊急性など県民理解を得るとともに、事業執行にあたっては透明性・公平性を確保しながら進めていく」との考えを示した。
主要事業の概要は次のとおり。
【国道411号(城東Ⅱ期バイパス)】
Ⅱ期事業は、甲府市砂田町~甲府市朝気一丁目の延長770m、幅員13m(うちJR身延線を跨ぐ立体部は延長220m、幅員22m)の4車線道路を計画。平成17年度に事業着手、18年度より用地取得を開始し20年7月現在、約43%の進捗をみている。23年度までの事業完了を見込み、総事業費には86億円を試算している。
なお、JR身延線を跨ぐJR高架橋の詳細設計は大日コンサルタント、取付道路は第一復建、東日が担当した。
第Ⅰ期の甲府市川田町~砂田町間延長L1640mは17年度に事業完了。
【愛宕町下条線】
道路新設区間の富士見工区(L750m)と荒川渡河工区(800m)に分かれ、全体計画延長は1550m、幅員25mの4車線道路。
富士見工区は300mが供用済みで、本年7月に残る中央病院北側の450mを暫定2車線で供用を開始した。
荒川渡河工区は、総事業費55億円、平成22年度の供用を目指し、現在荒川を渡る橋梁上部工事及び前後取付部の道路工事を進めている。
【田富町敷島線立体工区】
国道52号からJR中央線を挟んで中央自動車道間の延長640m、幅員6(17)mの立体工区。工事は、平成22年度に予定されている竜王駅周辺整備の完了に合わせ行っていく。総事業費は約60億円。
【鎌田川改修事業】
事業箇所は、中央市今福新田(笛吹川合流点)~甲府市高室町(中央道立体交差部)延長6900m。総事業費には240億円を見込む。事業進捗率は68%。20年度は用地取得を鋭意推進するほか、JR側と協議を進め、秋頃にはJR身延線今川橋下流築堤工事、JR身延線今川橋りょう工事施工協定を締結する予定。
【浅原橋事業】
緊急輸送路整備のための老朽化している浅原橋を架け替える。同橋は、南アルプス市浅原~中央市臼井阿原に延長1100m、幅員6・5(10・5)m(うち橋梁部407m)で計画。総事業費は約48億円で、26年度の供用開始に向け準備を進める。道路詳細設計はサンポー、橋梁部分の詳細設計は長大が担当した。今年度は、取付道路用地の調査に取り掛かる。
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◆管内の状況
【道路】中央自動車道、国道20号が東西に中部横断自動車道、国道52号、国道358号が南北に走り骨格を成している。これらの道路と国道140号、411号、主要地方道甲府市川三郷線などが連携し交通ネットワークを形成。当事務所が管理する道路は国道140号など41路線・延長343・7㎞。主要道路整備は、甲府市中心部、竜王駅周辺の交通渋滞緩和に寄与するものと期待されている。
【河川】
富士川水系に属する一級河川荒川を含む102河川で、延長は330km。甲府盆地の東南部は、洪水や湛水による自然災害が数多く発生してきた地域となっている。県内主要河川の河川情報を得る河川情報システム整備、土砂災害防止法に基づく基礎調査などを実施し、安全な県土づくりを推進している。
【写真=暫定供用を開始した愛宕町下条線】