県は、原油・原材料等高騰対策として運用する単品スライド条項について、県としての運用マニュアルを策定した。既に公表されている国土交通省の運用マニュアル(暫定版)に準じた内容となっている。
全体スライド条項が請負契約後一年を経過した後に賃金水準や物価水準が変動した場合の中間修正的な変更であるのに対して、単品スライド条項は、特定の主要な工事材料の価格が著しく変動した場合の清算的な変更。
今回対象となる主要な工事材料は鋼材類と燃料油。鋼材類では、H形鋼、異形棒鋼、鋼材二次製品、鋼材から加工された道路用資材、橋梁用資材や水道用材料、鋼材類の賃料・損料などが対象となる。また、燃料油は、軽油、ガソリン、混合油、重油、灯油に適用する。
対象工事は、対象品目の価格が、対象となる工事費総額の一%以上変動している工事。
単品スライド条項の適用手続は、受注者が工期末の二月前までに請求し、協議の上工期末に変更契約を締結する。ただし、工期末が平成二〇年一〇月三一日以前の工事については九月一日までに請求できる。
請求に際しては、購入した対象材料の価格、購入先、搬入・購入時期を証明する書類の提出が必要となる。
スライド額の計算で用いる単価は、鋼材類は、現場に搬入した月の実勢価格(搬入月の物価資料の価格×落札率と、実際の購入金額の低い方)、燃料油は、購入した月の実勢価格(購入月の翌月の物価資料の価格×落札率と、実際の購入金額の低い方)を基準とする。
スライド額の計算は、対象となった鋼材類および燃料油のそれぞれの品目ごとに、その品目に該当する各材料の当初の価格(発注者が設定した実勢単価に数量、落札率を乗じた額)と変動後の価格(実際に当該品目を搬入・購入した期間中の平均的な実勢単価に、数量及び落札率を乗じた額)との差額の合計額(変動額)から、変動前の対象工事費の一%を差し引いて算出する。
全体スライド条項のみによるスライド額を算定の上で、その対象とはならない価格上昇を単品スライド条項で反映することは可能で、全体スライド条項と単品スライド条項を併用する期間については、受注者負担は全体スライド条項の適用による一・五%(変動前残工事代金額の一・五%)とし、単品スライド条項に係る一%負担は求めない。
また、全体スライド条項は、従来どおり、単独での適用も可能。