J-PARCセンター(永宮正治センター長)は、東海村に建設中の大強度陽子加速器施設J-PARCの物質・生命科学実験施設(MLF)で「ミュオンビーム」の発生に成功した。
今後12月以降の調整運転および試験的利用を経て、来年4月から本格的なミュオンビームの利用が開始される予定。
ミュオンは、湯川秀樹博士がその存在を予言した中間子が崩壊してできる素粒子。電荷をもつ素粒子で、物質に入射することで、物質のナノスケールでの電磁気的性質を解明するために有効な手段となる。
稼働後は、物性物理学や原子分子物理学の分野における基礎的研究の推進のみならず、磁性材料や燃料電池の開発研究、負ミュオン特性X線費破壊元素分析など、さまざまな分野の産業発展につながる物質・生命科学研究に利用される予定。