つくばエクスプレス沿線整備事業の木地区土地区画整理事業で、県県土整備部都市整備課と県住宅供給公社が保留地の分譲を開始した。県は70街区の約3.8ha、住宅供給公社は67街区の3.9haを分譲。このうち県の70街区は今月6日に募集を締め切ったが、応募者はなかった。このため県は、再募集を行うかなど対応を検討している。また、住宅供給公社の分譲は12月1日から5日までの期間で一般競争入札の参加申し込みを受け付ける。
分譲の開始に伴い、同地区で基盤整備を進めている県東葛飾地域整備センター流山区画整理事務所は、両街区の基盤整備を急ぐ。分譲地の67街区と70街区で造成工事や公共下水道の整備を実施する。造成は67街区を3-1工区、70街区を3-2工区として発注する。また、公共下水道工事は汚水と雨水を発注する予定。公共下水道は一部管径などに変更があるため、認可変更を申請する予定で、認可変更に伴う設計書の作成をこのほど千代田コンサルタント(東京都千代田区飯田橋3-3-7)に250万円で委託した。
基盤整備ではこのほか、右岸、左岸調整池や神明堀に架かる橋梁工事を実施する。調整池の面積は、右岸調整池が面積1万5304.05㎡・容量7万7500ha、左岸調整池が面積4278.04㎡・容量1万7200haで、約4万haの掘削工事が残っている。右岸調整池はポンプ機械設備工事を発注済みで、左岸調整池はポンプ機械設備と電気設備工事を年内に発注する。調整池は年度内に概成させる計画。
また、神明堀に架かる橋梁はA、B、Cの3橋を新設する。このうち都計道木流山線のB橋梁は来年1月に完成する予定で、A橋梁は9月に下部工を発注し、年内に上部工を発注する。また、C橋梁は年明けに築造工事を発注する。橋梁の幅員は約7.5-7.9m。橋長はB橋が16.8m、A橋が12.8m、C橋が7.2m。形式は全橋ともPC桁を予定。
同地区は、地区を1から5までの5工区に工区割している。1工区は南流山中学校の南側で、左岸調整池や5号街区公園のある周辺。2工区は12mの区画道路の南側一体。3工区は準用河川神明堀と都計道流山上貝塚線に挟まれた区域。4工区は都計道流山上貝塚線の西側でTX線の南側。5工区は都計道流山上貝塚線の西側でTX線の北側。
このほか、同事務所は今年度、地区内の照明や道路舗装などについてのデザインの考え方をまとめるための公共施設デザイン策定業務を千葉県まちづくり公社(千葉市中央区中区4-13-28に295万円で委託した。流山市が景観計画を策定中で、同市の計画と整合性を持たせながら、地区内のデザインについての方針をまとめる。
同事業は流山市の南端に位置し、つくばエクスプレスの沿線整備として無秩序な開発によるスプロール化の防止や、新駅と一体となった良好な住環境の創出を目指して計画された。県住宅供給公社を事業主体に98年1月に都市計画決定し、99年3月に事業認可を取得したが、同公社の経営破たんに伴い、事業を県に移管。昨年4月に国土交通省から新たに県が事業認可を取得し、今年度から県が施行者となり事業を実施している。
施行面積は約68.3haで、2014年度までに総事業費298億1100万円(うち工事費224億5400万円)を投入する計画。計画人口は約6800人を見込む。土地利用計画は宅地面積が約36.5haで、公共施設は幹線道路が都計道3・5・13流山上貝塚線、3・4・31木南流山線、3・4・35木流山線の3路線、区画道路が幅員3-12mの13路線を整備する。また、街区公園は1-5号の5か所を予定。