国土交通省高崎河川国道事務所は2日、群馬県建設業協会の青柳剛会長代行を講師に招き、「今、建設業界で起きていること」と題した講演会を同事務所で開催。県内の各出先事務所および各出張所から工事発注を担当する職員や現場監督員ならびに現場技術員ら約100人が聴講に参加し、青柳会長代行の講演に耳を傾けた。
講演会は、職員研修の一環として行われたもので、業界側の厳しい実情を発注担当者や現場監督員が聞き、業界の状況に理解を深めるとともに、受注者に対する対応の改善につなげ、公共工事の円滑な執行を図る。
講演では◇全国の建設投資、建設業許可数および就業者数の推移◇本県の建設投資額と建設業者数の推移◇本県の公共工事量の推移◇同協会の会員数の推移◇建設会社の収益状況―などが説明されたほか、同協会が実施した受注・金融・入札契約制度に対するアンケート結果も示された。この中で青柳会長代行は「建設業は、ほかの業種と違い、遅れて結果が出てくるもの。10年かけて駄目になると、立ち直るのも10年かかる。井上工業の経営破綻も同様、ボディーブローのように今後、業界全体に染みこんでいく」と危惧。このほか、経営者と従業員との信頼関係の重さや技術者養成の大切さなどを強調した。
続けて、同省直轄工事の採算性などに関するアンケート結果にも触れ「このままの状態が続くと優秀な技術者の離職につながり、最終的には地域を守る建設業の存在そのものを揺るがしかねない」と懸念。適正な利益を生み出すこと、品質の良い製品をつくることが次のビジネスチャンスを生み、この繰り返しで企業としての力がついてくると持論を展開した。
協会のあり方については「これまでの『同じことを考え、同じ行動を起こす』だけではなく、常に問題意識を提示し示すことが大事」とし、さらに「地域に密着した建設業の役割とは何かをもう1度考えなければならない」と説いた。
青柳会長代行は、受発注者間の関係をヤマアラシという動物に例え「ヤマアラシは、温度の変化が激しい場所に棲み、群れを成して行動しているが、あまり近寄りすぎると、とげで互いを傷つけてしまう。しかし、ヤマアラシはちょうど良い距離を保ちながら温度調節をして行動している。受発注者もこのような関係が良いのでは」と提案し、最後に「現状に満足せず、少しでも前に向かっていく。そして、組織のモチベーションを高めながらリーダーシップを発揮していく。これらが必要」と総括した。
講演後、同事務所の真田晃宏所長と同省利根川水系砂防事務所の佐藤一幸所長が「建設業界の皆さんから国土交通省の仕事をしたいと思われる事務所でありたい。そのためには、今後も良好なパートナーシップが大切であり、これまで以上にそれぞれが相手の立場を思いやり、一緒に仕事をしていくことが必要」と講演内容の趣旨に理解を示した。
















