建設経済研究所は16日、平成21年3月期(20年度)の「主要建設会社中間決算分析」をまとめた。調査対象の39社は、別表のとおり。分析結果によると売上高は、「大手」が前年同期比13・5%増と大きく伸ばしている。これは、昨年度の官庁工事指名停止に伴う反動増と、昨年までに受注していた大規模民間工事・大規模海外工事の消化が進んだことが要因とされる。
一方で「準大手A」は、景気低迷に伴う民間工事・開発事業の冷え込みが発生したことにより、前年同期比17・9%減と落ち込んだ。また特に「準大手A以下」において、いわゆる新興デベロッパーの資金調達の悪化により、プロジェクトが中止または延期に追い込まれるケースが散見され、売上高が抑えられた。
39社計の売上総利益は、4期連続で利益率が低下している。「大手」「準大手A」の利益率が大きく減少しているのが主な要因。20年度は「準大手B以下」で、回復傾向が見られる。官庁工事で低入札受注が減少したことから利益率の回復が見られたものの、民間工事においては原材料価格の高騰が大きな要因となり、利益率が低下している。
営業利益は「大手」「準大手A」では海外工事、開発事業が不調だが、それ以下は、国内官庁工事の利益率の改善により、厳しいながらも若干の改善が見られるようだ。
当期純利益は「大手」のみが当期黒字を達成し、それ以外は赤字。全39社中、24社が当期赤字となっている。
なお同研究所では定期的にこの調査を行っているが、決算情報の開示制度変更により、本年度から単体の報告が任意となり、単体情報を開示しない企業が発生した。このため、今回から連結決算のみ分析をしている。