鎌倉市は、市施行で計画を立てている大船駅東口の再開発事業「大船駅東口第二地区第一種市街地再開発事業」の計画策定に携わるコンサルタント業者について、十月にプロポーザル方式を用いて、募集を行い、選定手続きを進めてきたが十二月二十四日、㈱タカハ都市科学研究所を最優秀提案者として選定したことを明らかにした。市では、近く同社と委託契約を交わし、ともに事業推進に当たる。
大船駅東口第二地区再開発事業は、市が北の玄関口として位置づけるJR横須賀線、根岸線、東海道線、湘南モノレールが乗り入れる駅前東口の一・二㌶を対象に計画している事業で、平成四年に完了した駅ビルや交通広場などから成る第一地区一・五㌶に続くものだ。
業者募集は、事業に対する権利者の合意形成を高め、早期の計画策定を目指すことを目的に決めたもので、他地区で豊かな業務実績を持ち、事業推進に意欲的な業者を求めることを決め、十月に手続きをはじめた。
募集に際しては、市の入札参加登録業者で、地方公共団体施行の再開発事業の実績。事業の完成実績を有する者を統括責任者として現場の業務に配置できること等を条件に付け、参加業者を募った。四社から応募が寄せられ、外部の有識者二人と都市計画部長、拠点整備部長から成るプロポーザル審査委員会(委員長・日端康雄慶應義塾大学名誉教授、工学博士、再開発プランナー)を設置し、選考に当たった。第一次審査で、応募のあった四社のなかから三社に絞り込み、第二次審査で、実施体制と実施手法、専門的知識、重視する事項の的確性、課題の把握と理解度、提案の実現性、取り組み意欲の程度、必要経費と費用対効果などを視点に評価を行い、㈱タカハ都市科学研究所を最優秀提案者として選定した。
タカハ都市科学研究所の提案について審査委員会では「多彩な業務実績を踏まえ、今後の業務実施に対する具体的な提案が行われた」と評したほか「特に、時間の経過とともに変化する事業内外の環境を念頭において対応していくスタンス」や「提案全体にバランスが取れていて、今後、事業を推進していくうえで、最も信頼感がある」などの評価だった。
市では、近く同社と事業推進に係る業務をはじめ、再開発事業に必要性や有利性等に関する勉強会の開催支援、権利者の対応などを行うなどの内容の委託契約を交わす。今後、二十一年度に新たな計画策定に向けての検討を行い、二十二年度に基本計画の作成、二十五年度の都市計画変更を経て、二十八年度工事着工、三十年度竣工というスケジュールで事業推進に当たる。