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神奈川県横浜市

栄区庁舎のESCO/2事業者決まる

2009/01/10 日本工業経済新聞(神奈川版)

 横浜市の営繕行政を担当するまちづくり調整局はこのほど、栄区庁舎(桂町三〇三-一九)の空調などの設備機器による省エネルギー対策を進めるにあたり、民間事業者の技術力などを活用したESCO事業を導入することを決め、事業者を募集し、選定に当たってきたが十二月二十四日、㈱エネルギーアドバンス(エネルギーサービス業)とエルゴテック㈱(管工事業)の二社を選定したことを発表した。年間光熱水費の20%削減、杉の木五千四百本分の年間CO2吸収量に相当する提案を評価した。二十二年四月からのサービス開始に向け、改修工事を進める。

 栄区庁舎は、昭和四十九年竣工のRC造四階建ての本館と、平成五年竣工のRC四階建て造新館、それに昭和六十一年竣工のRC造二階建ての機械室棟からなり、延床面積八、四八三平方㍍の規模。栄区庁舎は、平成十六年度に策定した市公共建築物ESCO事業導入計画において、省エネルギー効果が大きく、CO2、光熱水費の大幅な低減が図れると見込まれ、今回、多くの設備機器が老朽化による更新時期を迎えていることから、導入が決まった。建物の長寿命化を併せ、ESCOを実施することにより、最適な省エネルギー改修を低コストが賄えることを期待した。

 事業の枠組みは、改修に係る初期投資を市が行い、ESCO事業者は市に対して省エネルギー効果を保証し、光熱水費を実現し、市はその削減保証とその実現に対する報酬をESCOサービス料として事業者に支払う、自己資金型(ギャランティード・セイビングス契約)で進める。

 九月に募集手続きをはじめ、二企業グループから提案が寄せられた。外部委員で組織する「横浜市ESCO事業提案審査委員会(飯田訓正委員長・慶應義塾大学教授理工学部教授)」が審査に当たり、最優秀提案事業者として、㈱エネルギーアドバンス(エネルギーサービス業)・エルゴテック㈱を選定した。

 選ばれたグループは、空調熱源のシステム変更、ガスヒートポンプパッケージ導入、空冷ヒートポンプチラー導入、冷温水二次ポンプインバータ化、空調機取入外気量の削減、緑のカーテン(壁面緑化)、節水器具導入などを提案している。

 市ではこれによる削減効果は、省エネルギー率が21・4%、CO2排出削減率が23・6%となり、一年間の削減量は、一般家庭約三十世帯分の年間使用エネルギー量、杉の木約五千四百本分の年間CO2吸収量に相当する。光熱水費削減額は年四百八十万円/年と現在消費している光熱水費約二千四百万円の20%削減できるとしている。

 事業者はその後二十二年三月までに改修工事を完了させ、二十二年四月からサービスを開始するというスケジュールで臨む。




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