横浜市の道路や区画整理、緑地保全などの都市計画案件について審議する市長の諮問機関「第百十二回都市計画審議会(森地茂会長・政策研究大学院大学教授)」が九日、中区の松村ガーデンホールにおいて開催され、鶴見区で計画され、事業中の都市計画道路岸谷生麦線の変更、戸塚区の戸塚駅周辺の開発を目指した地区計画の決定、栄区など三地区の緑の保全を目的とした特別緑地保全地区の決定、市南部に拡がる近郊緑地特別保全地区の面積変更について審議した。いずれも原案どおり承認された。
都市計画道路岸谷生麦線は、鶴見区岸谷二丁目の国道1号と生麦一丁目の東京大師横浜線(通商産業道路)間を結ぶ延長一、二三〇㍍、幅員一七㍍、二車線の道路で、JR線で分断されている区東西を結ぶ役割を担うほか、建設中の高速横浜環状北線の新生麦入口とのアクセスする路線として計画され、現在、首都高速道路㈱により、国道1号からJR線路手前を行き来するトンネル工事が進んでいる。
変更は、東京大師横浜線との接続について、横浜環状北線のジャンクション計画が見直されたことに伴い、従来計画より、近くを走る旧東海道との距離を置いたもので、これにより通行制限が予定されていた旧東海道が現況どおり、東京大師横浜線を挟んで行き来が可能になった。また、横浜環状北線との合流位置も、従来のJR線西側から線路を跨いだ西側に変更し、交通安全性を高めた。
戸塚駅西口第三地区地区計画は、JR線、市営地下鉄線が乗り入れる戸塚駅西口の上倉田町及び戸塚町の三・八㌶を対象に、建築物の用途制限や、地区内に設ける道路幅員や延長を定めたもの。同地区は、現在、施工中の戸塚駅西口第一地区第二種市街地再開発事業の南側に位置する。元々は、完了した駅東口再開発、事業中の線路をアンダーパスで抜ける立体交差をメーンにした区画整理事業とともに、昭和三十七年に都市計画決定された区画整理事業の一部区域だった。地区計画は地元権利者のニーズ、意見を踏まえ、地区計画による建物誘導と区画街路整備を基調としたまちづくり手法への転換に向けた合意形成が図られたことを受け、手続きを進めた。計画では、土地・建築物の共同化による土地利用高度化、市街地の不燃化の促進、駅を連絡する快適歩行空間の創造を目指す。これに併せ、従来の土地区画整理事業の面積変更、防火地域及び準防火地域の変更手続きをとった。
特別緑地保全地区の決定は、栄区の北西部、JR東海道線及び市営地下鉄線戸塚駅から南に二・五㌔離れた場所に位置する四・一㌶の金井地区、中田北特別緑地保全地区は、泉区の東部、相模鉄道いずみ野線弥生台駅から南東へ一・二㌔に位置する一・三㌶の中田北地区、名瀬北特別緑地保全地区は、戸塚区の北西部、JR横須賀線東戸塚駅から西へ二㌔離れた場所に位置する六・五㌶の名瀬北地区について、それぞれ都市の無秩序な拡大防止などを目的とした都市緑地法に基づき特別緑地保全地区として決定した。
近郊緑地特別保全地区の変更は、市南部に拡がる円海山近郊緑地特別保全地区の面積について道路境界線の明確化に伴い、一六㌶増の一一六㌶に変更した。