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県立博物館の基本設計を梓設計に委託-プロポーザルで決まる

2001/08/06 山梨建設新聞

 山梨県は、県立博物館の基本設計委託業者のプロポーザルの結果、7月31日までに同委託業者を梓設計(東京都品川区西五反田2丁目27-3、電話03-3491-3591)に決定したことを明らかにした。

 8者の参加により行われたプロポーザルでは、各者からの技術提案を受け、「山梨の人と自然」を基本テーマとする同博物館のコンセプトや、施設計画、配置計画、維持管理計画の方向性についての理解度や考え方などを総合的に評価し、最終的に同社に決まったもの。近く同社と正式に契約を結び、基本設計を進めるとともに、今後の補正予算の対応で実施設計にも着手する構えで、年度内には具体的な施設内容が明らかになってくる見通し。

 御坂町成田地内の総合教育センター隣接地に計画される同博物館の整備計画については、今年5月に「県立博物館建設検討委員会」がまとめた基本計画報告書の内容を踏まえ、県が6月に基本計画を策定。同内容をもとに、いよいよ同基本設計作業に取り掛かることになったもの。

 県が策定した基本計画では、「山梨の自然と人」をテーマに掲げ、「山梨の歴史に重点を置いた博物館」、「ハブ博物館」、「参加体験・交流型博物館」、「成長する博物館」を基本的な方向とするとともに、整備の進め方として、全体を2期に分け段階的に実施。第1期で現在、展示可能な文化財等に見合った規模で施設を建設。その後の調査・研究を踏まえて第2期の整備を実施。

 敷地内に建設する建物は、基本テーマに沿った展示施設、収集した資料の収蔵施設、学校教育との連携や利用サービスに係わる教育・交流施設のほか、管理施設、調査・研究施設、駐車場、レストラン、トイレ等の共通施設、電気・空調などの機械施設などで構成し、全体の延床面積には約1万3、000㎡の規模を確保することとした。また、屋外には、古代の森の再現、昔の治水・利水技術の再現、芝居小屋の移築又は復元や現在の計画の保存などの内容の展示を行うためのスペースなども設け、敷地全体の面積は6万5、000㎡程度を確保するなど基本的な施設計画、配置計画を示している。

 このうち、第1期整備では、山梨の自然と人の全体像を概観できるようなメインの展示施設を優先し、建物全体のうちの、8、000~9、000㎡を整備する方針が打ち出された。

 県では、今後のスケジュールとして年内には基本設計をまとめる予定で、さらに今後、補正等の対応により予算が確保できれば年度内に同設計を実施段階に移行させるとともに、展示施設の設計等にも手を付ける。あわせて、今年度は県土地開発公社により建設用地の取得作業も進める計画。着工時期について県では、今後の建設用地取得や、埋蔵文化財調査等の進捗により流動的だが、年度には具体的な施設の方向性を明らかにし、第1期整備事業の早期着手を目指していく。



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