国土交通省は平成21年度から、直轄事業で設計JVでの応札を推進する。現行では建設コンサルタント業務で同じ分野の有資格業者の組み合わせとしているが、異業種間JVを可能とする方向で詰める。またプロポーザル以外の契約方式(総合評価・価格競争)にも拡大させる。
同省が設計JVの推進を打ち出す背景には、公益法人が持っていた専門技術とノウハウを民間企業へ移転させる狙いがある。また今年度に再委託の上限を設定しているが、業界団体からは受注者側の裁量範囲を狭めるという意見があることから、透明性を確保する手続き手法としても取り入れる。
設計JVは、平成10年6月に行われた日米建設協議の年次会合で、建設コンサルタント業務での受注機会を拡大するためにアメリカ側から提案され、同年12月から導入されている。対象は政府調達協定に基づく5000万円以上のプロポーザル案件としていた。その後、随契見直しなどの背景から、不適切な再委託や丸投げを防止するための手法としても位置付けた経緯がある(平成20年5月事務連絡)。
設計JV認定数(応札数)の推移は、18年度40者、19年度90者、20年度169者となっている。また設計JVの実例としては、橋梁詳細設計業務において、A社が景観検討、B社が構造設計を担当した案件などがある。なお、同省では入札公告時における結成の義務付けは考えていない。