今年度から2か年で利根川流域下水道整備総合計画策定を進める埼玉県土整備部は、東京設計事務所(千代田区)をコンサルに、調査・検討に着手した。また取りまとめは検討委員会方式を考えており、近く発足させる。計画策定で注目されるのは、本庄市など1市4町を対象とした児玉郡市の流域下水道化。各自治体は昨年度末までに流域下水道化への意思統一を終えており、県下8番目の流域下水道としての整備へ向け、要望活動に入る構え。計画に位置付けられれば、本庄の処理場増設、各地への幹線管渠敷設など具体化していく。
利根川流域下水道整備総合計画は、利根川流域の水質基準の達成維持へ個別の下水道計画の上位計画となるもの。流域各県で策定が進んでいる。
県では13-14年度の2か年で計画策定。13年度は基礎調査、現況およびフレームの検討、排水量および負荷量原単位の検討、流域河川、下水道放流水の汚濁解析などを実施。14年度に将来発生負荷量の検討、将来汚濁分析、下水道施設配置計画、下水道施設計画をまとめるスケジュール。
調査・検討ではコンサルタントを参画させているが、取りまとめは、委員会方式を考えており、近く立ち上げる。
一方、注目される本庄市、上里町、神川町、児玉町、美里町の1市4町の流域化検討は、これまで「流域下水道勉強会」や「児玉郡市流域下水道研究会」、その下部組織となる「児玉郡市流域下水道調査部会」で進められ、このほど日本水工設計(中央区)が参画。
同地域の下水道の現況は、供用しているのは本庄市のみ。このほど起工した新幹線本庄新駅周辺で計画される本庄新都心地区土地区画整理事業などもあり、下水道エリアは益々拡大することになる。また事業化して間もない上里町は処理場の用地買収、管渠の布設工事を鋭意進めている。
これら状況から検討されているのは、対象面積4、893ha。処理場は本庄水処理センターを増設して使用し、中継ポンプ所を1か所設置。幹線は処理場から4町へ向けて延ばす。
上里町へは国道17号をルートに延長8、000m程度、シールド工法を見込む。美里町へは、県道本庄寄居線で、6、000m程度。児玉町へは、美里への幹線の途中で分岐し、本庄新都心地区を経由して国道462号を進む延長約7、000m。神川町へは、児玉への幹線からさらに分岐して延長5、000m程度を想定している。
整備対象エリアとしては、本庄市が現在の認可区域1、019ha(677ha整備済み)に本庄新都心など開発エリア含めた約1、900ha規模。上里町は現在整備が進められている神保原、神保原駅南土地区画整理事業地内などJR高崎線神保原駅周辺、神川町はJR八高線丹荘駅、役場などの立地する丹荘地区、児玉町も八高線児玉駅周辺の中心市街地や児玉南部土地区画整理事業地内など。最も農業集落排水事業が進んでいる美里町は本庄市に接する美里北部地区として位置づけられる小茂田地区など。