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国土交通省

引き合い増加調査へ/品質向上の好循環形成/下請企業優良表彰で

2009/03/27 本社配信

 国土交通省は平成19年度から下請企業優良表彰を実施しているが、表彰された下請企業がその後、仕事の引き合いが増加したかどうかなどについて、調査する方針を固めた。 下請企業優良表彰は、平成19年度に127件、20年度は147件を表彰している。階層別では1次下請が267件と97%を占めており、2次下請は7社(3%)だった。工種別でみると「一般土木」「護岸」「改良」「舗装」での受賞が多くなっている。業種別では「とび・土工工事業」「土木工事業」が多い。

 下請表彰は、優良工事表彰を受けた元請企業や、その監督職員からの推薦を元に、「下請企業が品質確保・向上に貢献していること」「元下請負契約や施工体制が適正であること」という観点から選定されている。

 例えば関東地方整備局大宮国道事務所の「圏央道川田谷高架橋3下部工事」は、元請の宮地組が下請の松下工務店を推薦し、表彰された。

 同工事は①2本の市道と交差している②架空線がある③作業ヤードが狭い④構造物の形状が複雑⑤同時期に隣接して工事が行われる―といった難易度の高い現場だった。

 そうした状況下で松下工務店は、ほかの圏央道工事に従事した、経験と技量の豊富な技術者を配置。作業相互のトラブルもなく、順調に工程を進めることができ、良好な結果が得られた。

 国交省は下請企業を表彰することによって、下請の立場向上と受注機会拡大のほか、元請企業にとっても工事成績評定の向上、さらには発注者にとっても、調達時の元請企業審査に際し優劣の判断が容易になるとみており、それらが品質向上につながるという好循環が形成できると踏んでいる。

 平成21年度は、好循環の形成状況に対するフォローアップを行うことにした。表彰を受けた下請企業に対し、引き合いの増加や受注の拡大といった環境の変化をアンケート調査で把握する。

 一方で元請企業に関しては、受賞した下請企業が参加している工事の評定点の特徴を把握する。さらに、受賞した下請企業がその後の工事でも表彰を受けているかを調べる予定としている。

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