常総地方広域市町村圏事務組合は、新常総環境センターの建設工事で21年度に地下躯体・地上躯体などの本体工事に着手する見通し。キルン式の焼却施設(ガス化溶融施設)と資源化施設(リサイクル施設)の建設などを行うもので、施工は㈱タクマ(兵庫県尼崎市)が担当。21年度はまず現時点で不在となっている施工監理者の選定を行い、その後本体工事に着手する予定。23年度内の供用開始を目指す。施設整備後の維持管理については、工事の経過を見ながら委託先を決めていく方針。
常総環境センター更新事業は、既存施設が稼動後18年経過しており、施設補修の対応が厳しくなってきたため、建て替えるもの。19年度から22年度までの4カ年で、現施設の解体、ガス化溶融施設とリサイクル施設の「新ごみ処理施設」を計画。新施設は運動公園の一部を取り壊し、現施設解体後に公園用地に復元する。
建設敷地2万1000㎡に、SRC一部S造、延床面積2万2000㎡、建築面積9200㎡の規模で計画。プラットホームを共有化するなど、焼却施設と資源化施設を一体的で効率的に整備する。
焼却施設として整備するガス化溶融施設の処理能力は、一日当たり86tを3炉で処理する256tで、ピット容量が9500立方m(7日分)、発電3000kw。
処理方式にキルン式ガス化溶融方式を採用。キルン炉で約1時間かけて熱分解させ、熱分解ガスとチャー(ごみが炭化したもの)に分け、それを溶融炉で溶かしてスラグ化する。また、余熱利用として発電や組合施設へ蒸気・温水を供給する方針。
リサイクル施設は、処理能力が5時間当たり127tで、内訳は、粗大ごみ処理83t、資源物処理44t。
これら施設の建設は、タクマが担当する。4カ年での契約額は212億1000万円。
20年度は詳細な実施設計を作成したほか、計画地にかかる運動公園の遊具・テニスコートの撤去などを実施した。また、(財)日本環境衛生センターがキルン式炉の安全性や建設費などについて検証し、全てにおいて「問題ない」との結果がでた。
21年度はまず、㈱環境工学コンサルタントが破産したことに伴い不在となった施工監理者を選定する見通しだが、状況によっては、その前にスーパーバイザーの導入なども検討する。
その後ごみ焼却施設工事として、造成工事(敷地の地盤レベル調整)、掘削・地下躯体(ごみピット・破砕ピット、スラグピット、ごみ汚水処理室)工事、地上躯体工事(SRC一部S造、9200㎡)などの本体工事に着手する。
機械設備関係では、ガス化溶融設備(熱分解ドラム本体、残渣排出コンベア、残渣冷却コンベア、ドラム加熱ガス引抜送風機・循環送風機〔いずれも3基ずつ〕ほか)や燃焼ガス冷却設備(ボイラ給水ポンプ6基、脱気器給水ポンプ2基ほか)などを設置する。
22年度にも工事を進め、処理施設としては、23年度内の供用開始を見込む。
なお、施設の維持管理については工事の経過を見ながら委託先を決めていく方針。
【図=新ごみ処理施設イメージパース】