北関東自動車道の整備効果を早期に発揮する道路として期待されている「仮称・筑西幹線道路」(計画全長約42km)の計画で、茨城県は23日、沿線市町村との調整がほぼ終わったことから概略ルートを発表した。水戸市内で開かれた筑西幹線道路整備促進期成同盟会総会(会長・斎藤和夫関城町長)で、関係市町村の首長らに説明したもので、今回は北関東自動車道岩瀬インターチェンジから新4号国道(総和町)までの約37kmのルートが明らかになった。それによると、来年度の事業化が見込まれる下館環状道路や国道125号南側の新規バイパスなど、現国県道の振替ルートを結び広域道路を形成する。概算事業費は約1、000億円。今年度は鬼怒川新橋、小貝川新橋の調査に着手するなど一部区間で事業が動き出す。
筑西幹線道路は、北関東自動車道の岩瀬インターチェンジから古河市(国道4号)までを結ぶ延長約42km(4車線)の地域高規格道路として位置づけられている。
事業概要によると、概算事業費は約960億円で、一般部約720億円、橋梁部約240億円が見込まれる。現道利用などを考え、全体のうち500億円ほどで新たな道路をつくると想定して300億円必要。県道路建設課によると「年間30億としても最低10年はかかる見通し」という。
整備の考え方としては、膨大な事業費が要ることから、区間ごとの優先順位により年次計画を立て、順次事業化する。現国県道の振替としてルートを選定しており、市町村道もルートに導入する。用地は4車線分を確保し、暫定2車で優先的に整備を図る。
今回示された5万分の1の地図に基づくと、岩瀬ICから国道50号を北西方面に迂回(「協和町門井地区」北ルート)し、協和町道111号線、都市計画決定路線の下館環状線(都計道・一本松茂田線)を通り、既存の下館三和線(拡幅)のルートを利用、事業化路線となる同線「関城バイパス」を通り、国道125号南側の新規バイパスルートに抜け新4号国道につなげる。
また、未決定の国道4号までの区間については、新駅の構想があるため、古河市、総和町の今後の開発構想などの動向をみながらルートを検討するが、当面は暫定的に、国道125号南側新規バイパスの一部から、都市計画決定路線の都計道・大和田仁連線、西牛谷大和田線、大聖院牛谷線へと抜け、国道4号(現道)に至るルートで整備を進める。
今後は、下館環状道路や下館三和線「関城バイパス」の事業化、国道125号南側の新規バイパスなどの都市計画決定の手続きを進める計画で、地域を分断する河川部にに架ける「鬼怒川新橋」と「小貝川新橋」については、地質調査や予備設計等に取り掛かる。
平成10年度に可能性ルートの検討に着手して以来、11年度に土地利用状況・埋蔵文化財等調査、12年度にルートの選定作業などが行われてきたが、今年度からは具体的に事業が始動する。