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事業計画公表、今年度投資額311億円/野田線連立に本格着工、仮線工など

2009/05/20 日刊建設タイムズ

 東武鉄道(東京都墨田区押上1-1-2、根津嘉澄・取締役社長)は、09年度の鉄道事業計画を公表した。今年度の 設備投資計画は総額311億円で、このうち安全対策には252億円を投入する。今年度は鉄道の高架工事で東武野田線の清水公園駅-梅郷駅高架化工事に本格着工する。工事は県の都市計画事業として連続立体交差化工事を実施するもので、今年度は仮線工事などを施工する予定。同事業では、愛宕駅と野田市駅の2駅を高架駅とし、バリアフリーに対応した施設として11か所の踏切を除却する。

 また、駅施設のバリアフリー化では、エレベータを14駅(35基)、多機能トイレ(個室)を10駅に設置する。

 各路線と駅別のエレベーターの設置基数は▽伊勢崎線(浅草駅1基、せんげん台駅2基、鷺宮駅4基、加須駅4基、館林駅2基)▽野田線(七里駅2基、豊春駅3基、豊四季駅2基)▽東上線(池袋駅1基、上板橋駅3基、上福岡駅2基、鶴ヶ島駅4基、高坂駅3基、小川町駅2基)。多機能トイレは、伊勢崎線の浅草駅、鷺宮駅、加須駅、館林駅、野田線の七里駅と豊春駅、東上線の上板橋駅、上福岡駅、高坂駅、小川町駅。

 踏切の安全対策では、全踏切に支障報知装置の設置を完了しているが、このうち赤外線で、踏切内の支障物を検知する装置を設置している踏切に「押ボタン」を併設する工事を今年度で完了させる。

 駅構内の安全対策では、ホームからの転落事故に対する安全対策として、引き続き、非常停止ボタン・転落検知マット・ホーム下注意喚起灯および待避口の新増設を行うほか、緊急時・異常時の際にホームから駅事務室に乗客が通報できる非常用インターホンや、迷惑行為等の警備目的として防犯カメラの設置を進める。

 防災対策では、大規模地震や風雨時等の自然災害における安全対策として、引き続き高架橋耐震補強、長大橋梁の改修・補強等を推進する。

 新運転保安システムの構築では、現行のATS(自動列車停止装置)に代え、より高性能なATC(自動列車制御装置:前方に走行中の列車の位置から列車速度を制御する装置)を導入することとし、東上線池袋~小川町間で引き続き工事を進める。

 野田線では、常時列車制御と把握を的確に行うとともに、列車乱れ時の迅速な対応及び乗客に対する正確できめ細かな案内のできる体制を整えるため、引き続きCTC(列車集中制御装置)化工事を実施する。

 このほか、線路・電気等施設の更新改良では、弾性ポイント化・ロングレール化等の軌道強化工事、橋梁改修等の土木関係工事および駅舎の改修等の建築関係工事や、信号保安、通信、電路および変電関係設備の更新改良工事を推進し、鉄道事業運営に必要な基盤をさらに整備・強化する。

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