国土交通省関東地方整備局長野国道工事事務所は、国道19号東筑摩郡生坂村下生坂から北安曇郡八坂村瀬口に至る山清路防災の調査に10年度から着手、現在も諸調査や設計を進めている。
同区間は、長野県内でも景勝地として有名で、国道及び平行して流れる犀川(対岸は更級郡大岡村)の両側には切り立った岩壁がそびえており、平成8年度の防災点検の際にも危険箇所として挙げられている。
同事務所では様々な法面対策を施しているものの、これ以上の根本的な対応策は困難なことから、現道西側の岩盤を貫き、犀川等河川を横断するバイパスを築造する方針。
地元との設計協議前の段階のため計画ルートは固まっていないが、事務所側の意向では全長3~4km程度を想定。主要構造物及びルートは、下生坂側から犀川、続いて一級河川金熊川を渡リ、主要地方道大町麻績インター戸倉線との交差部(生坂村東広津宇留賀区)は明かり部としその前後の岩盤部をトンネル、さらに東京電力平ダム犀川下流部を渡河し大岡村平地区を抜け、もう一度犀川を越え終点の瀬口に至る区間で、トンネル2本、橋梁4橋が計画されている。
工事は、全区間一気に行うことは予算上困難なことから、2工区以上に分けて施工される見通し。地元との合意に至っていないため確定はしていないが、事務所では下生坂側から県道までの区間の設計を先行して進めている。また、工事にとりかかる時期は、他の国道19号防災計画区間(長野市村山防災など)との兼ね合い等から未定としているものの、地元との協議を終え、なるべく早く入りたいとしている。
参考までに、これまでの委託業務発注状況(本紙調べ)を紹介する。
《10年度》
【7月2日】
▼山清路地質調査(生坂村)=東建ジオテック 1、370万円
【9月29日】
▼山清路道路概略設計(生坂村)=協和コンサルタンツ 480万円
《11年度》
【5月10日】
▼山清路地区空中写真測量(生坂村)=国際航業 740万円
【7月27日】
▼山清路道路予備設計(生坂村東広津~八坂村瀬口)=協和コンサルタンツ 3、300万円
【11月30日】
▼山清路橋梁予備設計(生坂村東広津~八坂村瀬口)=高島テクノロジーセンター 3、100万円
【12月15日】
▼山清路環境調査(生坂村~八坂村瀬口)=国際航業 1、050万円
【3月13日】
▼山清路路線測量(生坂村下生坂~八坂村瀬口)=日研コンサル 3、800万円
【3月29日】
▼山清路地質調査(生坂村下生坂~八坂村瀬口)=日さく 3、600万円
《12年度》
【4月27日】
▼山清路環境調査(生坂村下生坂~八坂村瀬口)=国際航業 2、300万円
【7月27日】
▼山清路道路予備修正設計(生坂村東広津~八坂村瀬口)=協和コンサルタンツ 600万円
【3月29日】
▼山清路橋梁詳細設計(生坂村下生坂~東広津)=協和コンサルタンツ 4、300万円
《13年度》
【5月9日】
▼山清路トンネル予備設計(生坂村東広津~八坂村瀬口)=千代田コンサルタント 1、850万円