アメリカのサブプライムローンに端を発した金融危機の影響により、県内でも民間需要がさらに落ち込み、厳しい局面に立たされている生コン業界。公共事業を含めた県内需要はピーク時の半分以下に減少しており、底が見えない状態になっている。5月の通常総会で群馬県生コンクリート工業組合の理事長続投が決まった小林美知夫氏へ業界の課題や対策などについて聞いた。
―現在、生コン業界が抱えている問題は
小林 最も大きな問題は需要の減少。生コン業界は公共投資と民間の需要が半々といったところだが、民間需要は急激に低迷している。また、公共投資は昨今の金融危機対策として、県でも増加傾向にあるが、『ハコ物』は少なく我々にとっては依然、厳しい状況が続いている。県内では平成2年度がピークで、年間320万あった需要が、10年後の12年度には200万、最近では19年度が150万、20年度が130万、今年度は110万を切ると推測され、非常に苦しいと言わざるを得ない。
―具体的な対策は
小林 生コンは、作り置きもできず、在庫を抱えられるものでもない。ここで作って、ここで買ってもらう付加価値の低い商品。いかに需要に見合った供給体制を整備できるかが課題。工場数は現在、組合加盟の工場は43工場あるが、今の需要に対しては30工場ぐらいが理想。業界としては集約化の努力が必要。各社にそれぞれ経営の問題や雇用の問題があり、さらに新規参入を抑えることができないなど課題も多いが、工業組合としては積極的に集約化を呼びかけていく。
―新たな需要はあるのか
小林 業界全体としても需要創出への動きはあり、例えばコンクリート舗装の導入を求めるなど努力はしているが、コンクリート舗装の場合、アスファルトに比べ補修の難しさや固まるまでに時間がかかるなどの問題点がある。自分たちで需要をつくり出すことが難しい産業で、新しい枝葉が出にくい。
―業界全体へ一言
小林 今の時代、個々では生きていけない。生コン業界は独占禁止法の適用除外措置を受け、協同組合の経済行動が認められている業界。これを最大限生かすためには、今こそ連携をとっていくことが大切で、今後は、いかに結束を固められるかにかかってくる。