相模原市は十日、将来のまちづくりの方向性を示した都市計画マスタープラン(素案)をとりまとめ発表した。二十二年度からの政令指定都市移行を見据え、策定手続きを進めてきたもので、市政全般のあり方について触れた総合計画はと同時に、パブリックコメントによる手続きを開始した。市では寄せられた意見を踏まえ、年度内の確定を目指す。
都市計画マスタープランは、土地利用、都市施設の整備、市街地開発事業など、都市づくりの分野に関する方針を示したもので、概ね二十年後の都市の将来像を描いたプランだ。市の総合計画と県が定める「都市計画区域の整備、開発及び保全の方針」に基づき定める。
このほどまとまったマスタープランは、土地利用、交通体系、景観、災害対策、住環境などの分野別に方針を示したほか、二十二年の政令指定都市移行に施行される区毎やその下の地域別にまちづくりの方向性を示している。
市が中心市街地と位置付ける相模原、橋本、相模大野の三つのまちづくり、さがみ縦貫道路のインターチェンジ周辺地区のまちづくり、鉄道、新しい交通システム、道路網から成る交通体系の整備、緑の保全や、下水道や合併浄化槽による水質環境の改善、相模湖や宮ヶ瀬湖などの水源地域の活用方法などについて触れている。
このうち、中心市街地では、相模原駅及び橋本駅周辺地区について、一体的なエリアと捉え、補給廠一部返還予定地を中心に、都市機能の集積を促進するとともに、さらなる商業・業務機能の集積を図り、首都圏南西部における中心的な地区として周辺都市からの求心性を高める都市づくりを進める考えだ。
一方、相模大野駅は町田駅地区周辺地区との一体的なエリアとして市の南の玄関口と位置付け、市街地再開発事業により拡大する商業施設と周辺の住宅地や、文教施設などの連携により、活力ある都市づくりを進めるほか、新しい交通システムの導入により、地区と麻溝台・新磯野地区などの拠点間の連携を強化し、地区におけるにぎわいの創出を図るとしている。
この他、建設中のさがみ縦貫道路のインターチェンジ周辺地区などでは、新たな産業拠点としてのまちづくりを進める考えを立てた。
交通体系では、JR相模線の複線化、新駅の設置の促進。リニア中央新幹線の市内への駅誘致に向けた取り組み。相模原駅・上溝駅への小田急多摩線の延伸に向けた取り組など鉄道路線の充実を図るほか、相模大野駅と原当麻駅を結ぶ新しい交通システムの導入を図る。
区毎の構想では、橋本地区及び旧津久井郡から成るA区では、相模湖、宮ケ瀬湖周辺の親水空間の形成、津久井広域道路沿道の市街地整備。市役所があるB区では、相模川が流れる田名地区で、親水空間の形成、横山公園、淵野辺公園をみどりの拠点として位置付け充実を図る方針を立てている。相模大野を含むC区は、さがみ縦貫道路インターチェンジ周辺の麻溝台・新磯野地区、当麻地区における市街地整備を進める計画だ。