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(独)鉄道建設・運輸施設整備支援機構,JR東海(株)

県要望ルートは6400億円増/リニア工事費試算公表

2009/06/20 長野建設新聞

 東京-名古屋間のリニア中央新幹線計画で、JR東海と鉄道・運輸機構は18日、ルート別工事費(中間駅を除く)の試算結果を公表した。長野県が要望する南アルプスを迂回し伊那谷を経由するルート(Bルート)は5兆7400億円で、JR側が前提とする南アルプスを貫く直線ルート(Cルート)に比べ6400億円上回った。

 JR東海は自己負担による建設方針を示しており、村井知事は同日の会見で「事業主体はあくまでJR東海で、(Bルートの実現に)そうアイデアがある訳ではない。しかし、県の中では過去の経過からBルートということで一回コンセンサスができている。そのことを押さえて相談をさせていただくしかない」と語った。

 公表データによると、Cルートは路線長286kmで、このうち非トンネル区間は54km。所要時間は最速タイプで40分。工事費のうち車両費を除く建設費は4兆8000億円。

 一方、Bルートは路線長346kmで、非トンネル区間は98km。所要時間は47分。建設費は5兆3800億円。

 ちなみに南アルプスを迂回し木曽谷を経由するAルートは路線長334kmで、非トンネル区間は98km。所要時間は46分。建設費は5兆2900億円。

 JR側は今後、維持運営費や設備更新費、輸送需要量についても今月下旬から8月上旬にかけて公表。名古屋-大阪間のデータも8月下旬以降に示す予定だ。


 【Excelファイルはルート別比較表】

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