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神奈川県相模原市

旧津久井郡地域対象の水道ビジョン策定/小規模水道を簡易水道統合へ

2009/06/25 日本工業経済新聞(神奈川版)

 相模原市はこのほど、旧津久井郡地域の水道事業の将来の方向性を示した相模原市地域水道ビジョンを策定した。現在、相模原市の水道は、給水人口比で99・4%が県営水道により給水を受け、残りを市営及び組合による簡易水道(平成十九年度末の給水人口千九百人)や、水道法の適用対象外で、給水人口百人以下の施設を対象とした二十九の組合営の小規模水道(二十年十一月の給水人口八百九十九人)により給水を行っている。ビジョンは、国の同一行政区域内の上水道と簡易水道事業の事業統合を合理的にかつ計画的に推進するという国の方針を踏まえ、今後十年程度にわたる事業運営に関する課題と解決の方向性を示したもの。

 市によると、津久井地域(主に旧藤野町地域)の簡易水道と小規模水道について、渇水のおそれがあり、水源の安定した水量が確保できない。施設が貧弱で安定した給水ができない。小規模水道の幾つかは滅菌処理施設を有しないものもあり、水質に問題があるなどの課題や、施設の耐震化、資金不足などの管理・運営などの問題を抱えているという。

 ビジョンでは、安心して利用できる飲料水の安定的な供給などを将来像に掲げ、小規模水道の市営簡易水道への統合。施設基準に基づく配水池、管路、消火栓などの整備。構造物、管路の耐震化。表流水水源のクリプトスポリジウム(耐塩素性病原生物)対策。地勢を考慮した施設配置。既存井戸水源・施設の活用。高度処理型浄化槽の対応のなどの施策を立てた。今後は十年程度を目標に、市営簡易水道の経営の健全化を図り、緊急性の高い小規模水道から順次市営簡易水道へ統合を進める。二十五年度までに第一次、二十八年度までの第二次、二十九年度以降の三次と三段階に分けて施設整備などの事業を進めて行く。以下、計画概要は次のとおり。

 ○第一次統合整備計画(二十一年度から二十五年度)

 ▽伏馬田簡易水道の緊急対策=三つのうち、表流水の水源には、クリプトスポリジウム等の混入の可能性が疑われていることから、ユニット型の膜ろ過設備を導入する

 ▽葛原簡易水道の緊急対策=湧水を水源としているが、近年の集中豪雨の多発傾向に伴い、連続した強雨時に一時的に濁度、色度が上昇することがあり、水道水質基準への抵触が懸念される、覆蓋の設置などの取水施設の冠水対策を行うほか、濁度計、残留塩素濃度計を設置し、水質監視の強化。また、原水水質を分析したうえで、必要と判断した場合、ろ過設備の導入等の処理方式の変更を行う

 ▽牧野中央簡易水道と篠原簡易水道の統合=牧野中央に篠原を統合し、地域の簡易水道の核とする。両水道の管路はこの段階で接続しないが、それぞれ周辺の小規模水道を統合し、給水区域を拡張する

 ▽奥牧野簡易水道の市営化=住民の高齢化等により、今後の維持管理に大きな不安を抱えているため、公営化し配水池を増強したうえで、周辺の小規模水道を統合し給水区域を拡張する

 ▽小規模水道の統合(九か所)=水源や施設に問題を抱えている水道や公営水道への切り替えに対する要望が大きい九か所の小規模水道を統合する。これに伴い必要となる配水池、増圧施設、管路等の整備を行う

 ▽青根簡易水道の県営水道への移管推進=県営水道の給水区域に隣接していること、施設基準は県営水道並であり、技術的な条件を満たしていると考えられることから、移管に向けた協議を開始する

○第二次統合整備計画(二十六年度から二十八年度)

 ▽牧郷簡易水道の市営化=現時点では維持管理上の課題も少なく、公営化への要望はないが、将来の施設の老朽化への対応や住民の高齢化を見越して、第二次統合整備において、公営化について検討

 ▽小規模水道の統合(八か所)=施設や水源の状態が比較的良好なまたは公営化への要望が小さい小規模水道について、第二次統合整備において公営簡易水道への統合を検討

 ▽県営水道に隣接する小規模水道(一か所)の施設整備=必要な施設整備を行い、移管に向けて取り組む

 ○第三次統合整備計画(二十九年度以降)

 ▽県営水道に隣接する小規模水道(四か所)の施設整備=必要な施設整備を行い県営水道移管に向けて取り組む




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