ENEOSセルテック(一色誠一社長)は1日、大泉町坂田の三菱電機東京製作所に、ガス会社・自治体・ハウスメーカーなどから多数の関係者を招き、家庭用燃料電池「エネファーム」の出荷式を盛大に開催した。
同社は、新日本石油(西尾進路社長)と三洋電機(佐野精一郎社長)が合弁で設立した定置用燃料電池の事業会社。国主導で実施されてきた「定置用燃料電池大規模実証事業」の終了に伴い、今年度から本格販売を開始する「エネファーム」の量産体制を確立するため、三洋電機東京製作所の一角で今年4月から新工場を稼動させている。
式典では、一色社長、新日本石油の渡文明会長の主催者あいさつに続き、来賓を代表し、経済産業省資源エネルギー庁の飯田健太燃料電池推進室長、大阪ガスの尾崎裕社長が祝辞を述べた後、テープカットが行われた。さらに第1号商品機を載せたトラックが、福岡県で新築中の住宅に向け出発した。
「エネファーム」は、燃料電池ユニットと貯湯ユニットで構成され、都市ガスやLPガス、灯油などから燃料となる水素を取り出し、空気中の酸素と反応させて発電すると同時にその排熱でお湯を沸かすシステム。同工場では、LPガス仕様と都市ガス仕様を生産し、今年度3000台、来年度1万台、2015年には4万台の量産体制を確立する予定だという。
民生分野の温暖化対策の切り札として期待が高まる「エネファーム」。一方、現段階で320万円と高額な価格が早期普及の足かせになっているのも事実。一色社長は、「エネファームを一般家庭に広く普及させるため、大幅なコストダウンを実現すべく努力したい」と語った。