戸田市は、「免震レトロフイット工法」で施工する本庁舎の耐震化工事と、全面的な改修となる設備更新工事に向けて、1億円近い基本・実施設計委託費を、9月定例議会に上程する補正予算案に盛り込む予定だ。施工スケジュールは、年度内に基本設計をまとめ、22年度に実施設計を仕上げて、23年度から工期25カ月間で施工する計画。総工費には約36億円を試算している。
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本庁舎は、昭和45年10月の竣工で、同57年9月に低層部分を増築した。建物規模は、SRC造地下1階地上8階(塔屋2階)建てで、延べ床面積が1万5615・09㎡(うち増築部分が3875・29㎡)。
耐震化にあたっては、平成8年に第3次診断を実施した結果、コンクリートの劣化は見られなかったが、IS値0・6の現行耐震基準に対して、1階~6階が0・28~0・49と耐震性が低く、耐震補強が必要との結果が出ていた。
そこで、昨年10月に庁舎整備等方針検討委員会を設置し、本庁舎の耐震化計画の推進方策の検討を開始、本庁舎の抱える課題などを広範な角度から審議し、①新築建替え②免震レトロフィット(基礎免震)による耐震改修③耐震補強(鉄骨ブレース)による耐震改修-の3案について、メリット、デメリットを踏まえて検討した結果、②が妥当との結論を出し、今年3月に答申した。
このうち、新築建替えの場合には、総工費が60数億円となり、財政負担が大きすぎるとし、耐震補強の場合には、工事費が19億円弱と最も少ないものの、仮設庁舎のリース代や移設費などを合算すれば約30億円になるうえ、IS値も0・75と耐震安全性が十分でないとの結論を下した。
採用した免震レトロフィットは、工事費が約36億円となるが、移設費がほとんど不要のうえ、IS値も0・9まで引き上げることが可能とし、総合的に判断して決定したもの。この工事費内訳は、建築工事に21億6727万円余、電気設備工事に2億2144万円、機械設備工事に11億9447万円余と試算。
一方、庁舎の設備機械の大半は、設置後20年以上が経過しており、設備更新の時期となっているが、全体的には、「メンテナンスによる延命」よりも「省エネ性を重視した設備更新」を基本に検討し、耐震改修工事と同時に次の設備工事を実施する計画。
【空調関係】地下機械室にある冷温水発生機(2基)と空調機(7基)、自動制御設備の更新と併せ、各室(あるいは各階)にコントロールが可能な個別空調を含め検討する。機械室と8階空調機室は、更新時にアスベスト除去工事を行う。
【給水設備】受水槽・高架水槽とも、上水・補給水(衛生用・空調用)の2系統に分かれているが、上水2系統にすることで、清掃時などのメンテ面で有利となり、現行モデルの水槽にすることによって「災害時飲料水槽」として使用することが可能。また、給水管は劣化によるサビこぶが見受けられ、給水管の更新を含め検討。
【排水設備】汚水・雑排水管とも、劣化により管内全体に茶褐色のサビが見受けられ、繋ぎ部分からは排水の漏れが発生している状況にあり、全体更新を検討。
【電気設備】すべての機器において標準耐用年数を過ぎており、更新する状況にある。また、OA機器の増加により、情報拠点から各フロアへの配線管路に空きがなく増設できない状況にあり、電源容量についても容量不足が発生しており、全体的な再整備を検討。
【防火設備】自動火災報知器設備は、受信盤の標準耐用年数が過ぎており、更新する状況。
【その他の設備】非常用自家発電機は、照明用・情報機器用・消防設備用と3台の発電機が設置されているが、情報機器用・消防設備用の2台は、耐用年数が過ぎていることから更新を検討。エレベーターは、現時点においては故障等の問題はないが、増築棟のエレベーターは設置後24年が過ぎており、事故等の不具合が発生する恐れがあることや製造中止となった部品を使用していることから更新を検討。
なお、耐震改修を実施するにあたっては、▽だれもが安心して利用できる庁舎▽2階ロビーの拡幅▽事務室の拡幅▽喫煙所の整備▽浸水への対応▽北側公用車駐車場の取り扱い▽議場の設備改修-について検討する必要があるとしている。
【写真=耐震化へ免震レトロフィット工法を選択した本庁舎】
















