着手から一定期間が経過した公共事業について県の対応方針案を審議する県公共事業評価監視委員会(委員長=福田志乃・地域政策プランニング代表)は20日、県庁で本年度初会合を開いた。県は、千曲川流域下水道事業の下流処理区で1系列、上流処理区で2系列を減らし、それぞれ事業費を17億円と25億円縮減する案を提示。茅野市永明の街路事業は、JR交差部を取り止める方針を示した。
■計画変更など6、継続3件
本年度の再評価対象事業は、採択後10年が経過した時点で継続中となっている3事業と、5年前に再評価を行い現在も継続中である6事業の計9事業。県は4事業を「計画変更」、2事業を「見直して継続」、3事業を「継続」とする対応方針案を示した。
千曲川流域下水道事業上・下流処理区(長野市ほか2市2町1村)の計画変更は、人口推計を踏まえたもの。下流処理区は、全体7系列(うち4系列完成、5系列目を建設中)を6系列に見直し。未整備の消化タンク1基は規模を3000立方mから2000立方mに縮小する。
一方、上流処理区は、全体10系列(うち4系列完成、5・6系列目を建設中)を8系列に見直し。未整備の消化タンク2基をともに4500立方mから4200立方m、焼却炉1基を50tから40tに縮小する。
両事業とも現在のところ平成30年度の完成を予定している。
茅野市永明街路事業のJR交差部は「整備の必要性はあるが、工事費が高額で、工期が長期にわたる」などの理由から、本事業での実施を取り止め。「将来、状況を踏まえて事業手法を含めて対応を検討する」とした。縮減額は24億2400万円で、これにより同事業の残事業費は1億1190万円となる。
また、塩尻市片丘の君石団地建替事業は、残る2棟(各RC造3階建て36戸)のうち1棟を塩尻市が市営住宅として建て替えることとし、これにより7億1400万円を縮減するとした。残事業費は7億9900万円。
安曇野地区かんがい排水事業(松本市、安曇野市)と林道大島氏乗線開設事業(喬木村)は、いずれも工法を見直し、それぞれ5000万円(見直し後の残事業費は5億8000万円)と700万円(同8億7300万円)の縮減を図る。
同委員会は今後、対象箇所の現地調査を実施するなど県の対応方針案を審議し、年内に意見書をとりまとめる予定。
【写真=会合の様子。Excelファイルは本年度再評価対象事業に対する県対応方針案】

















