フジタ(上田卓司社長)は、騒音・振動といった作業所で発生するさまざまな環境要因の変化や異常などをいち早くキャッチする「統合環境計測システム」を開発した。トラブルや災害を未然に防ぎ、近隣の住環境を守るきめ細かい工事管理を行える。短期間で計測体制を構築でき、作業所ごとの開発経費が不要なことから、こでまでに29作業所で導入されており、自治体からも高い評価を得ているという。
データは、現場の要所に備え付けられた各種センサーそれぞれからの情報が、携帯電話のパケット通信網を介してデータセンターの統合環境計測サーバーに逐次送られ、一元管理されている。現場から離れた作業所事務所や関係機関でも、インターネット経由で24時間リアルタイム監視できる。基準値を超えると事務所で警報を鳴らすと同時に、担当者に携帯メールを送り、即時に対応できる。
同システムは、標準システムとして、騒音振動、粉塵、地盤沈下、水質、水位の各種計測、気象観測、カメラ監視、ダンプGPS運行監視、緊急地震速報、近隣公開HPなどのメニューがある。こうした性質の違う計測データを、時間軸をそろえて比較できる。そのため、各種センサー、計測機器と接続可能な汎用通信盤の開発、計測項目の組み合わせが自由に設定可能な汎用表示プログラムの開発が行われた。
また、使用するセンサーや監視カメラ等の機器はレンタル品で調達が容易。パケット通信網を利用したデータ送信とすることにより機器の設置が簡単にできるという。こうしたことで、従来は2カ月要していた導入期間が、わずか1カ月足らずで計測体制が整うようになった。
計測する環境データは、現場の規模や作業所ニーズによって自由に組み合わせを決められるのも特長。また、必要なデータによる報告書も簡単に作成でき、1カ月あたり平均3~4人/日の省力化を図れる。