栃木市は十四日、第百十七回県都市計画地方審議会に『三号永野川緑地公園』の全体計画面積七三kmのうち、第一期事業となる二六・二kmの区域決定を諮問、原案通り承認された。市では県知事の都市計画決定告示を待ち、建設大臣に対して事業認可を申請する。事業認可取得後は十二月中旬をめどに、区域東側に位置する交通拠点の駐車場造成工事、トイレ建設工事の二件を発注する。第一期事業は十七年度の完成を目指し、総事業費三十億円を見込んでいる。
市は昨年度、永野川周辺整備基本計画を策定した。①にぎわいと集いの里②交通拠点③ふるさとの杜④恵み味わいの里⑤歳時記の杜⑥錦着山公園⑦安らぎの水辺⑧市民プール-の八つのゾーンを設定。高橋上流~大砂橋下流周辺区域(うち河川区域二八km)を整備するビッグプロジェクトを打ち出した。
都計審で承認されたのは『にぎわいと集いの里』を中心とする上人橋~大岩橋間(岩出町、大皆川町、泉川町、河川区域一八・三km含む)。中心市街地から西方二km地点となり、東は錦着山公園に隣接、南は太平山県立自然公園に接している。一期事業での実際の整備面積は七・九km(右岸七・五km、左岸〇・四km)。
今年度は交通拠点の用地取得後、駐車場造成工事(四、〇〇〇㎡)、トイレ建設工事(RC造平屋建て六〇㎡)を発注。来年度は用地買収(二一、〇〇〇㎡)のほか、駐車場の舗装と周辺の植栽を済ませる考え。十二年度は用地買収(三五、〇〇〇㎡)のみで、十三年度から工事を再開する。
市では久しく、河川を利用した公園的整備が求められていた。市民一人当たりの公園面積は五・七㎡(九年度末)にとどまり、県平均(九年度末)一〇・二㎡、全国平均(七年度末)七・一㎡に比べて立ち遅れているのが現状。こうした公園ニーズにこたえ、永野川の自然環境の有効活用を図っていく。
基本方針は①市民が愛着や誇りを持てる環境づくり②サクラを軸とした花の名所③心身リフレッシュの場④十分なオープンスペースの確保⑤栃木の伝統工芸の見学や体験を通じ、世代間交流のできる場⑥高齢者や障害者も利用できる施設デザイン⑦蔵の街や太平山県立自然公園のネットワークの結接点-の七項目。
第一期事業計画は次の通り。
〔施設内容〕
▼安らぎの水辺(一七・七km、うち低水敷五・二km)
▽ワイルドフラワーパーク=四季の様々な草花を植栽
▽レクリエーション堰=水遊びができる飛び石風
▽ワンド=低水護岸の一部を引き込み、緩やかな流れで水辺生物と触れ合える入り江
▽多目的広場=広い高水敷を活用した芝生広場(イベント時には千台収容の臨時駐車場)
▽イベント広場=堤防からの緩やかな法面を利用
▼にぎわいと集いの里(七・五km)
▽パークセンター(一、四〇〇㎡)=創作体験のできるクラフトセンターやサイクリングターミナル、緑の相談所、管理事務所を併設
▽太陽の広場(二〇、〇〇〇㎡)=軽スポーツやピクニックといった自由な遊びができる広大な芝生広場
▽わんぱく広場(六、〇〇〇㎡)=独創的な大型遊具のある広場
▽サクラの林(一〇、〇〇〇㎡)=四季を通じて花見ができるよう様々な品種を導入
▽修景池(五、五〇〇㎡)=調整池を兼ねて修景に富む
▽駐車場(八、〇〇〇㎡)=普通車百六十台、大型バス二台分
▼交通拠点(〇・六km)
▽駐車場(五、〇〇〇㎡)=通常は普通車百台分、イベント時は河川内の多目的広場と連携し大型バス五台分が待機可能
▼連絡橋(橋長一三〇m、幅員三m)
▽歩道橋=公園のシンボルとしての歩行者動線
〔年次計画〕
▼十年度
▽用地買収(四、〇〇〇㎡▽交通拠点トイレ建設▽駐車場造成
▼十一年度
▽用地買収(二一、〇〇〇㎡)▽交通拠点駐車場仕上げ工事
▼十二年度
▽用地買収(三五、〇〇〇㎡)
▼十三年度
▽用地買収(一五、〇〇〇㎡)▽にぎわいと集いの里造成▽連絡橋下部工▽修景池整備
▼十四年度
▽パークセンター着工▽連絡橋上部工▽太陽の広場整備▽駐車場整備
▼十五年度
▽パークセンター完成▽わんぱく広場整備▽大型遊具整備▽サクラの林整備
▼十六~十七年度
▽未達成工事の執行