県都市計画課は今年度から、昭和四十七年に都市計画決定された宇都宮東部地区土地区画整理事業区域内未着手地区のうち、『宇大西地区(仮称)』(宇都宮市平松町、平松本町、簗瀬)二七kmの基礎調査に乗り出す。建築物の立地状況、土地権利調査、土地登記簿作成、公共施設配置状況などの土地利用現況を二カ年程度かけて調査。来年度後半には宇都宮市と連携し地元の意向調査も予定。二十六年の歳月による情勢変化に対応したまちづくり計画を策定する。調査業務は九日に監理課から入札される。
調査に入る宇大西地区は北端を一般国道一二三号、南端を組合施行で整備済みの平松本町第一、第二土地区画整理地区境とし、西端は四号バイパス、東端を宇大に接する平松町を中心とした一角。用途指定は第一種住居地域、第一種中高層住居専用地域に線引きされている。
都市計画課では、未着手地区最大の宇大東南部第二地区(四二・四km)が宇都宮市、地元自治会などの間で区画整理事業化に向け進み出したことから、第二の面積を持つ宇大西地区の調査に入ることにした。
県が調査を実施することについて、都市計画課では『県事業として計画決定された経緯からで、県が事業主体となるかは別』と説明。『地区内の土地利用形態を再把握し、土地区画整理事業にとらわれず同地区に適したまちづくり手法の基礎資料にする』と説明している。
地区内には、四号バイパスと一二三号との交差点脇に建設省宇都宮国道工事事務所、一二三号沿いに神戸製鋼所神鋼寮、南側の平松本町側には戸建ての住宅団地群が並んでいる。周辺の都市計画道路は同地区以外で完結し、区画整理手法が難しいとされる。
県が事業主体に想定している宇都宮市では、駅東第三地区をはじめ鶴田第一、第二など継続中の区画整理事業を多く抱え、財政的に厳しい状況。このため同課では今後、財政支援が可能なあらゆる整備手法を模索し、宇都宮市と協議を進めていく。
具体的な計画策定時期は、宇大東南部第二地区の事業認可時期を一つの目安にしている。減歩率の設定、道路計画、まちづくり計画、導入事業、全体事業費を同時期までに固めたい意向。鍵となる宇大東南部第二地区は、宇都宮市が東峰、東峰中一、同二、同東、東峰西、峰町第三、平松東の七自治体から整備計画案の提示を求められるまでに至り、市が来年二月中にも整備計画案を各自治体に説明する方向で設計等の業務に入っている。
宇都宮東部地区の未着手区域は、宇大東南部第二地区、宇大西地区のほか、簗瀬地区(一二km)、A、B地区(各四km)があり計五地区。A、B地区は小規模のうえ区画整理事業の効果や地元の意向が薄く、都市計画上の建物制限などを一部撤廃した土地利用を進めているのが現状。また簗瀬地区は、宇大西地区に次ぐ面積ながら反対意見も多く、ペンディング状態が続いている。
宇都宮東部地区は全体計画二三一・一kmの広大な計画面積から、当初県を事業主体に区画整理事業を都市計画決定。その後、地元全体の合意形成に時間がかかるなどから小ブロック単位での公共、組合施行に踏みきった。すでに平松本町第一(二七・五km)、平松本町第二(二六・六km)のほか、簗瀬・下栗(五五・九km)地区が整備完了。下栗・平松本町(四五・七km)が整備中。さらに城東(二六・一km)、宇大東南部第一(四八km)が事業認可を得て、着手している。