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千葉県習志野市

福祉複合施設の事業者に清和園/大久保地区パートナーシップは愛友会

2009/11/06 日刊建設タイムズ

 習志野市は、「新総合福祉ゾーン複合施設整備事業」と「大久保地区パートナーシップ施設整備事業」の整備・運営事業者の選定結果を公表した。複合施設整備事業の事業者は、選定委員会で最高得点を獲得した「社会福祉法人清和園」(千葉市若葉区若松町792-1、清水光任理事長)、大久保地区の施設整備事業は、法人候補者に選定された「医療法人社団愛友会」(埼玉県上尾市柏座1-10-10、中村秀夫会長)をそれぞれ決定した。今後、市議会に市有地の無償貸付にかかわる議案を提出し、議会の議決を得て事業者が確定する。両施設とも着工は来年秋ごろの見通しで、11年度内の開設を目指す。

 複合施設は、秋津の新総合福祉ゾーンに、高齢者福祉、障害者福祉及び福祉の交流を目的とした複合施設を整備する。施設の建設は法人が行い、市が県から交付される「介護基盤緊急整備等臨時交付金」を原資として4375万円を限度に補助する。

 当選した清和園は、千葉市内で介護老人福祉施設や特別養護老人ホーム、ケアハウスなどを経営する。提案規模はRC造4階建て延べ6376㎡。1階に療養相談センター、福祉交流スペース、認知症対応通所介護施設、2-3階に特別養護老人ホーム、ショートステイ、4階にグループホームとケアホームを設置する。設計は福祉開発研究所(東京都千代田区神田神保町3-25)が担当。

 選定委員会では、複合施設内に配置される(仮称)療育相談センター、グループホーム・ケアホーム、福祉交流スペースなどの施設の内容に細かな配慮があり、人間の尊厳を尊重した施設計画で、人員配置、市民優先の考え方などが評価された。また、複合施設の核となる特別養護老人ホームの運営実績や財務状況も申し分なく、プレゼンテーションの内容も委員会の評価を得た。

 事業予定地は、新総合福祉ゾーンとして位置付けた秋津3-24-1地先。敷地面積は約1.0haで、このうち施設用地は約6700㎡。用途は第一種中高層住居専用地域で、第二種高度地区。建ぺい率、容積率は60%、200%。用地は事業者に無償貸与する。土地の貸付期間は貸付日より30年。

 募集要項による主要施設の内容は、高齢者施設が①特別養護老人ホーム(定員100人)②ショートスティ(定員10人)③認知症対応型通所介護(1単位)、障害者施設が①(仮称)療育相談センター(30人/日)②障害者日中支援事業(定員10人/日)③グループホーム・ケアホーム(一体型20人)。ほかに福祉交流施設(200人)、駐車スペース、福祉交流広場(約3100㎡)など。

 先月27日に行われた公開プレゼンテーションには、同園のほか、天祐会、松寿会、千葉県福祉援護会の3者が参加した。

 一方、大久保地区パートナーシップ施設整備事業は、習志野郵便局跡地(大久保4-33-5、13)に、新たな公共施設と介護老人保健施設等を提供する在宅支援拠点施設との複合施設を整備する。応募者は愛友会1者だったが、選定委員会で提案内容やプレゼンテーションの内容が評価され、候補者に決定した。

 同会の計画は、総事業費約8億1040万円で、小規模介護老人保健施設、通所リハビリテーション、訪問介護ステーション、居宅介護支援事業所などを備えた3階建て3070㎡の施設を整備する。

 1階に多目的スペース、異世代交流室、こども空間、スタジオ、ロビーなどの公共施設(延べ約1025㎡)と消防団詰め所、老人保健施設などを配置し、2階に小規模介護老人保健施設(定員29人)、3階に休憩室、更衣室、などを設置する計画。

 事業費の内訳は、建設費7億610万円、設計費2400万円、機器購入費1860万円、予備費6170万円。用地面積は2347.24㎡で、市が事業者に無償で貸し付ける。貸付期間は30年。

 選定委員会では、同会が多数の病院、介護老人保健施設を運営しており、施設の安定した経営が期待され、蓄積されたノウハウや活力を最大限に活かせる法人として評価された。

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