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栃木県県土整備部

中川に砂防ダム1基を建設、10年度内に着工

1998/10/30 栃木建設新聞

 県砂防課は、八月末豪雨で土砂崩壊により天然ダムが形成された一級河川中川(矢板市寺山地内)に砂防ダム一基を建設する、災害関連緊急砂防事業の導入を申請し、このほど国の内諾を得た。本体工を年度内に着工する。事業費は二億千万円。

 建設する砂防ダムは、上流からの土砂一三、〇〇〇立方mを堰き止める鋼製枠ダムで、天然ダムが発生した地点から約一、〇〇〇m下流に建設する。堤高は七m、堤頂長六四m、正面積四三二㎡。鋼材量は一〇五tが見込まれる。

 工事はダム本体工に先がけ、仮設工、準備工を予定。来月早期に地質調査、設計を委託、工事は二~三月の発注を目指す。ダム本体は工場製作、現場組み立てとなる。工期に十八カ月程度が必要で、事業費一部繰り越しによる二カ年事業とならざるを得ないとしている。

 中川は八月豪雨で平野地先の国有林地斜面(土砂一七、〇〇〇立方m)が崩壊。中川の流れを堰き止めた形で九、〇〇〇立方mの土砂を堆積する自然なダムが形成された。その後台風五号、同七号により、堆積土砂が徐々に下流側に流され、八年度建設した寺山砂防ダムの満砂規格を超える状況になるため、中間点に新たな砂防ダムを建設し、下流側の人家の被害防止に備えることにした。

 建設地付近は周囲一kmに小滝鉱泉、赤滝鉱泉、寺山鉱泉など泉源が豊富で、ダム建設に当たり、地質調査を十分実施する。上流の天然ダムは現在、四、〇〇〇立方mの土砂が堆積している程度。河道も最大八mの水位を確保できる状態に戻った。



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