「地域ICT利活用に関する研究委員会」(委員長・山崎克之長岡技術科学大学教授)の拡大委員会が10、11日の2日間にわたり、湯沢町の湯沢ニューオータニホテルで開催された。国内各地域のICTを利活用したシステムによる地域活性化の成果を発表し、実用化への展開を探るための意見交換を目的に開催されたもので、産学官の関係者約40人が参加した。
プレゼン方式で行われた研究・調査報告では、まず、協同組合くびきの地理空間情報センター副理事長の宮下寿幸氏(㈱桑原測量社)が「上越・妙高地域におけるICT・GIS利用へのさらなる取り組み」を発表。
上越・妙高地域におけるRTK-GPS固定点システムの運用と地域GISインフラの融合による様々なアプリケーションやコンテンツの提供を紹介するとともに、観光情報の発信など今後の活用可能性について説明したうえで、これからは民間からの提案が重要だと強調した。
また、地域ICT利活用に関する研究委員会が上越地域で進めている「除雪車の安心・安全運行を支援するICTの調査研究」の成果を金井度量衡㈱技術部次長の吉田雄一氏が報告。
同作業部会において、これまで進めてきたGISを利用した除雪運行管理や高精度GPSによる除雪車両の誘導、高精度3D地図作成や、それらを包括する情報通信技術の研究・実証実験の事例を紹介。高精度の地図とGPSがあれば一定の実用化が認められると報告した。
このほか、県内で実施されている調査・研究として、「上越ケーブルビジョンにおける地域WiMAXへの取り組み」(上越ケーブルビジョン㈱)、「越後妻有(十日町・津南)・大地の芸術祭のアートナビ・街ナビによる地域活性化」(㈱オスポック)、「野生鳥獣との共生のための研究とICT技術」(長岡技術大学)などの研究成果も報告されたほか、国内各地の事例として、佐賀県における「棚田オンラインプロジェクト」や「佐賀インターナショナルバルーンフェスタにおけるエリア限定ワンセグ実証実験」、静岡県における「防災・災害支援でのICT利活用」、九州における「KIAIによる広域的産学官連携の取り組みについて」(九州情報通信連携推進協議会)などが発表された。
【写真=各地域のICT利活用事例が報告された】