県内道路の渋滞緩和や事故抑止を目的に、重点的かつ効率的な道路施策実施のための提言を行う県移動性・安全性向上検討委員会(委員長=高瀬達夫・信大准教授、有識者と行政委員15人で構成)は17日開き、事務局は新たに対策を講じるべき候補箇所として渋滞多発箇所(=イライラ)4カ所、事故多発箇所(=ハラハラ)9カ所を提示した。
同委が一昨年3月に選定したイライラ52カ所とハラハラ50カ所のうち、本年度末までに45カ所で対策事業が完了する見通し。残るイライラ41カ所とハラハラ16カ所に新たな候補箇所を加えた計70カ所について今後、パブリックコメントを実施。この意見を踏まえて対策実施箇所を決定する。
パブコメの実施時期は来年1月中下旬から1カ月程度を予定。3月の次回委員会で、新たな箇所の対策の進め方を議論する。
今回、新たなイライラ候補箇所の抽出に当たってはVICS【W】を活用。混雑多発箇所を抽出し、この指標も反映した。事務局は「情報が都市部だけという制約はあるが、よりきめ細かなデータが得られる」と有効性を強調した。
また、対策完了箇所の経過観察手法に関しても議論。パブコメの結果について委員から「対策の認知度が低いのはPR不足」「渋滞に敏感な消防など、ターゲットを絞ることも必要。また、対策区間だけでなく、周辺一帯での効果を見る必要がある」「対策をすれば効果が上がるのは当然。投資効率をどう評価するかが問題」といった意見が出た。
【W】VICS…渋滞や交通規制などの道路交通情報をリアルタイムに送信し、カーナビゲーションなどの車載機に文字・図形で表示する情報通信システム。情報は24時間365日提供している。
【写真=長野市のJA長野県ビルで開いた会合の様子。Excelファイルは事務局が新たに提示した対策候補箇所】