県教育委員会は、特別支援学校を対象に、平成22年度から26年度まで5カ年の新増設計画をまとめた「県立特別支援学校整備計画」を策定した。急増する知的障害児童生徒に対応するため、県立境西高校跡地を利用した新設校や、常陸大宮市もしくは常陸太田市の小・中学校跡地を利用した分校の設置を計画。美浦養護学校と伊奈養護学校では、校舎の増築を検討していく。
この計画では特別支援学校が抱える今日的な課題の解決方策や小中学校などへの特別支援教育の支援について、今後5カ年の方向を示すため具体的な整備計画を策定した。
特に近年では、知的障害児童生徒が急増しており、今後もさらなる児童生徒数の増が見込まれることから、教室の確保など、その対応が急務。
このことから、各学校の今後の児童生徒数の推移や敷地の状況、地域バランスなどを勘案し、より効果のある手法で適正配置を検討。9つある知的障害特別支援学校のうち、結城、勝田、美浦、伊奈、水戸飯富の5養護学校について整備の基本的な考え方を示した。
このうち結城養護学校と勝田養護学校は、小・中学校、高校の跡地などを利用して分校と本校を設置する。
なかでも結城養護学校では、22年度に仮設校舎のリース期間が終了することから、早期に対応する必要がある。同校では、県立境西高校跡地などを利用して本校の新設を検討していく。
勝田養護学校は、常陸大宮市もしくは常陸太田市の小・中学校跡地などを利用した、分校の設置を検討。こちらは24年度に仮設校舎のリース期間が終了することから、その期間に向けた対応となる。
美浦養護学校と伊奈養護学校は校舎の増築を検討。その間、今後の児童生徒数の推移を見極める必要があることから、必要に応じて仮設校舎での対応を検討する。また増築に併せて、ケアルームや自立活動室など、重複障害のある児童生徒の受け入れ体制の整備充実についても検討していく。
水戸飯富養護学校については、通学区域の一部(水戸市)を内原養護学校の通学区域に変更することを検討。また、通学区域の一部(大洗町)を勝田養護学校の通学区域に変更することも、分校設置と併せて検討していく。
そのほかの特別支援学校についても、新増設に併せて通学区域の見直しを検討していく方針だ。
【エクセルデータ=知的障害特別支援学校の児童生徒数の急増に伴う教室の確保】