木更津港港湾計画の改訂について検討する「木更津港港湾計画策定検討委員会」(委員長・金子彰東洋大学国際地域学部教授)の第3回目が、このほど千葉市のホテルプラザ菜の花で開催された。今回は最終の委員会で、前回の港湾計画素案や事業化計画について検討した。委員会の意見などを参考に修正を加えて年度内に計画をまとめる。
まとめられた計画案は1月21日に開催される県の地方港湾審議会に諮り、同審議会の承認後、3月中旬に開催が予定される国の交通審議会に諮って決定する。計画の策定業務は社団法人日本港湾協会(東京都港区赤坂3-3-5)が担当。
木更津港の港湾計画は、吾妻地区と木更津南部地区、富津地区の3地区を対象にしている。計画期間における概算事業費(公共事業)は約155億円を見込む。地区別の事業費は吾妻地区が約25億円、木更津南部地区が約130億円、富津地区が約5000万円。地区の整備は前期と後期に分けた段階的整備を予定し、10-15年程度で進める。
吾妻地区は緑地レクリエーションゾーンとして位置付け、緑地、旅客船埠頭、交流厚生用地、交通船等桟橋、ポートパーク(プレジャーボート収容)などを整備する予定。
木更津南部地区は物流ゾーンとして位置付け、小型船だまり(ガット船収容)、公共埠頭(-12m)耐震強化岸壁、公共埠頭(-5.5m)、ポートパーク(プレジャーボート収容)などを予定し、富津地区ではポートパーク(プレジャーボート収容)を整備する。
前期では、3地区のポートパーク(プレジャーボート収容)を整備するほか、吾妻地区は緑地、木更津南部地区は小型船だまり、-12m耐震強化岸壁を整備する。後期では、吾妻地区が旅客船埠頭、交流厚生用地、交通船等桟橋、木更津南部地区が-5.5m公共埠頭を整備する。木更津南部地区の-12m耐震強化岸壁は前期、後期を通じて整備を進める。
吾妻地区の交流厚生用地の面積は約7000㎡で、内訳は施設約1500㎡、駐車場約4000㎡、緑地・通路等1500㎡。駐車場は乗用車100台、大型車10台、身障者用2台を確保する。また、旅客船ふ頭は、旅客船「シンフォニークラシカ」の入港に併せて整備し、小型船だまりは官公庁船や作業船、交通船等の収容のため既存のポンツーンを活用し、新規に桟橋505m(-3.0m)を整備する。緑地は必要面積を約4.3haとし、既存緑地約2.1haに加え、新たに新規緑地2.0-2.5haを整備する。
木更津南部地区では、公共ふ頭1バース(-12m岸壁240m)、小型船だまり909m(-5.5m)などを整備するほか、耐震強化岸壁2バース(200m・-5.5m)を整備する計画。
同計画は、98年7月に改訂されたが、木更津南部地区の貯木水面利用計画の見直しや公共事業費縮減など周辺状況が大きく変化していることから、新たに計画を見直すことになった。
改訂では、県南部地域の産業・物流の拠点としての充実を図るとともに、物流・観光・交流・アメニティ、環境、防災の4つの機能を融合した魅力ある港を実現を目指すこととし、①物流の効率化を図り、首都圏及び地域産業の輸送合理化に貢献する②空間の創出と水際線の開放により、海に開かれたまちづくりに貢献する③干潟等の貴重な自然環境と調和した発展を目指す④防災機能を強化し、暮らしの安全と安心に貢献する-の4つを基本方針に掲げた。
なお、地方港湾審議会木更津港部会は、1月21日午後1時30分からホテルプラザ菜の花3階大会議室「菜の花」で開かれる。議題は、木更津港港湾計画の変更(改訂)(案)のほか、木更津港部会長の選出を予定。