長野県コンクリート補修・補強協会(窪田重雄会長)は19日、今年2回目の現場見学会を開催した。安曇野市穂高の現場には会員各社から約30人が集まり、高靱性ポリマーセメントモルタル吹付工法の手法を学んだ。
見学に先立ち、現場で採用している表面被覆工法「靱性モルタルライニング」について、㈱デーロス・ジャパン材料研究室・林承燦(インスンチャン)室長が工法説明を行った。
これによると、従来のポリマーセメントモルタルと比較してひび割れ抵抗性に優れる「靱性モルタルライニング」は、同時にひび割れ発生後も0.2mm以下に割れ幅を抑制するため、耐久性の低下が防げる材料とした。
優れた抵抗性を実現したのは多量の特殊繊維の混入によるもので、曲げ引張応力下においてひずみ硬化および複数微細ひび割れの特性をもつ材料とされ、ほかに、長期の付着性や高耐摩耗性、優れた凍結融解抵抗性の特長を有している。
施工箇所は、松本地方事務所農地整備課発注の「県営かんがい排水事業安曇野地区矢原排水路第1工区工事」で、延長794mの水路補修。側壁および底版部計A4366㎡規模のモルタル吹付等を行うもの。山崎建設が受注し、小宮山土木が施工している。
施工会社の代表であり、協会副会長でもある小宮山尚明社長は「新たに水路をつくるより、コストが安く、工期も短く、廃材もでない補修・補強の時代。協会としては、来年度も見学会を計画して、新しい技術の習得を図っていきたい」と語っていた。