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山梨県土木総務課

国母交差点渋滞対策で新年度着手/築内道路等整備も

2004/01/28 山梨建設新聞

 県土木部は新年度から、甲府市の国母交差点渋滞対策の為の具体的な事業に関係機関の国土交通省甲府河川国道を始め甲府市、昭和町と共に着手する。現在、設計協議などを進めており、5年ほどの短期には同交差点の平面改良(右左折車線の増設など)、グランパーク入口交差点の改良及び信号設置、地区内道路整備(鋳物団地内線の国母通りまでの延伸)をそれぞれ実施するほか、10年程の中期には卸売市場~昭和通り~アピオ方面の整備を計画していく。

 同交差点は、国道20号と昭和バイパスという本県の主要な幹線道路が交差する、県内でも有数の渋滞ポイントで、これまでも国や県等において右折レーンの延長などの緊急的な対応を実施するとともに、立体交差化案等の抜本的な渋滞対策の実現性を探ってきた。

 しかし、年々増加する交通量に緊急的対策の効果も十分ではなく、また、高度に商業集積が進んでいる同地域での立体交差化案は、商業活動への影響の懸念から関係者の同意を得ることが困難であることなど、渋滞対策が進んでいなかった。

 こうした中、渋滞対策の計画立案の段階から、関係する住民や一般にも情報を公開した上で広く意見を聴取し、これらを計画に反映しながら検討を進めていくPI手法を用いて、再度原点から議論を行う地元や沿線営業者を含めた委員会を平成14年7月に設置、昨年までに基本的な方向性がまとめられた。

 それによると、今後の社会経済情勢や同交差点へ影響をもたらす新山梨環状道路をはじめとする周辺道路整備計画を反映した交通量推計を行った結果、概ね10年後の中期にかけては、依然として現在のような渋滞が続くと見込まれているが、概ね20年後の長期の時点では、この交差点に集中していた車が周辺の道路に分散されることにより、昭和通り南側以外の渋滞は、ほぼ解消されると予測。こうした状況を踏まえ、対策の有効性や影響、投資効果など様々な角度から対策がとりまとめられた。

 その結果、短期間で実施可能で、渋滞の改善効果が早期に期待できる交差点の平面改良を実施することとし、早急に交通の円滑化を図るほか、これに併せて地域住民の利便性向上、商業面でのアクセス性向上や生活道路へ進入している通過交通の排除などが期待できる地区内道路を国母交差点北側に整備し、更なる改善を図ることになった。また、休日においては商業施設の駐車場不足が渋滞要因となっているため、事業者に駐車場の増設や誘導方法を改善するなど直ちに有効な対策をとるよう促すとともに、駐車場へのアクセス経路の改良を早急に実施する方向性が示された。

 土木部ではこうした方策を受けて、関係機関との設計協議等を進行、新年度にはそれぞれの設計費計上など具体化に向けた調整を本格化させている。このうち、市や町にかかる地区内道路の整備を県事業として実施することも検討される。



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