今年度第2回目の県入札監視委員会(委員長・大村謙二郎筑波大学教授)が5日、県庁11階で開かれた。事務局の県土木部監理課から入札契約手続きの運用状況などが報告されたほか、昨年4月から9月に県が契約した6件を審議、すべて適正に行われたことが認められた。そのほか増加傾向にある一般競争入札の一社応札の問題が取り上げられ、委員らはこの改善を求めて建議することで同意した。
まず根本俊英土木部監理課長が県発注建設工事の入札と契約手続きの運用状況を説明。今年度上半期の発注件数と金額に触れた上で、昨年度と今年度における土木部の発注件数と金額を伝えた。
今年度上半期は、県全体が1712件で契約額が551億9998万4000円。うち土木部は1287件で契約額469億7295万9000円、落札率90・1%。土木部の発注については上半期の前倒し発注で前年度より1・8倍伸びていることに触れた。
そのほか各部局の発注工事一覧を提示。また、指名停止などの運用状況を報告した。
続く審議事案では、昨年4月1日から9月31日の6カ月間に契約した公共工事の中から6件(一般競争3件、指名競争2件、随意契約1件)を無作為に抽出。
一般競争入札では、土木部下水道課発注の主ポンプ№3電気設備改築工事(施工者・三菱電機プラントエンジニアリング㈱)や水戸土木事務所の道路改良・舗装工事(芳野工業㈱)、つくばまちづくりセンターの区画道路改良舗装工事(成島建設㈱)。
また指名競争として、竜ヶ崎工事事務所の河川改修工事(キムラ工業㈱)、土木部住宅課の金沢アパート23号棟住戸改善電気設備工事(㈲宮田電工社)が取り上げられた。
さらに随意契約では、水戸土木事務所の公園維持管理業務委託(㈱小林造園)を審議。
そのうち主ポンプ№3電気設備改築工事は、1社応札となった理由を委員が求めると、鈴木守下水道課長は「以前、メーンコンピューターを設置した業者が再度請け負う傾向がある。各メーカーが独自の技術を開発しているため、入れ替えの際に元施工が有利となる」と事情を説明。
また、つくばまちづくりセンターの区画道路改良舗装工事は、総合評価方式で、最低価格者以外が落札者になる「逆転現象」が発生。価格と品質が総合的に優れた調達を実現できていることが評価された。
審議事項の後、一般競争入札における一社応札の取り扱い状況を県が説明。電気機械設備工事を中心に一社応札が増加していることに触れた。
大村委員長はパソコンのOS(基本ソフト)を例に、「ウインドウズのように固定化されていることは問題。はじめのシステムに依存しないような対応が必要」と述べ、一社応札の改善努力を求めた建議書を委員長名で知事に提出する方向を確認した。
これに対し、根本監理課長は「(一社応札の問題について)今後の方向性も考えており、委員を踏まえ検討を重ねてまいりたい」などと述べた。
入札監視委員会は、県が発注する建設工事の入札・契約手続きの透明性の向上などを図るため、平成15年3月に設置。委員は学識経験者など5人で、年2回開催している。
【写真=全景】